2020年7月8日、日経クロストレンドが開催する有料会員限定のセミナー「日経クロストレンド・ミートアップ」の第15回がオンラインで開催された。今回のテーマは「コロナ禍でも増収!『ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか』」。ワークマン専務の土屋哲雄氏が登壇し、戦略や成功の秘訣を語った。

ワークマンの売上高を既存店平均の2倍へ導く仕掛け人となった、ワークマン専務の土屋哲雄氏
ワークマンの売上高を既存店平均の2倍へ導く仕掛け人となった、ワークマン専務の土屋哲雄氏

 新型コロナウイルスによって外出自粛が長期化し、数多くの企業が苦境を強いられている。その中で大躍進しているのが、作業服の販売で有名なワークマンだ。2020年3月まで既存店売上高は17カ月連続で前年比2桁の増加を記録し、翌々月の5月には19.4%まで伸びている。

 これには、18年9月に東京都立川市のショッピングモール「ららぽーと立川立飛」に開業した新業態「ワークマンプラス」が大きく関係している。実は、新しい商品を開発するのではなく、既存店から一般向けのカジュアルなPB(プライベートブランド)を選りすぐり、売り場の見せ方を変えることで、売上高を既存店平均の2倍にした。

作業服市場は、あと7~8年で限界が来る

 アパレル不況といわれている現代で、なぜ売り上げを伸ばすことができたのか。ワークマン専務の土屋哲雄氏は、作業服市場での成長の限界を感じていたと言う。

 「ワークマンは、小売りの作業服市場で圧倒的なシェアを占めていた。このブルーオーシャンで34年間、個人向けに店舗で商品を売ってきたが、14年の時点で市場はすでに600億円。将来を考えると展開は1000店舗、市場規模は1000億円が限界なので、あと7、8年で限界が来る。また、Amazonや作業服専門のネット企業の台頭が脅威に感じられた」(土屋氏)

 そこで、打開策として新業態を開発すべく策定されたのが、「中期業態変革ビジョン」だ。その大きな柱の1つにデータ経営がある。

 中期業態変革ビジョンを策定した14年当時は、個別製品の数量を捉える必要がない棚卸し資産の評価方法「売価還元法」を使っていたため、個別の製品の数量を捉える必要がなく、どんぶり勘定をしていたのだという。

 「Excelをベースに、分析チームを作って分析ソフトからデータを整理してダウンロードし、社員が自分で関数やマクロを組んで分析できるようにした。AI(人工知能)のほうが効率は良いが、プロセスが見えないため、自分で経験して考えて実験するというマインドを培えるExcelを選んだ」(土屋氏)

土屋氏が立案した中期業態変革ビジョン。新業態を開発すべく客層拡大やデータ経営を目指し、優秀な人材が離れないよう、5年で社員の年収を100万円ベースアップすることを目標にした
土屋氏が立案した中期業態変革ビジョン。新業態を開発すべく客層拡大やデータ経営を目指し、優秀な人材が離れないよう、5年で社員の年収を100万円ベースアップすることを目標にした
土屋氏が考えたデータ経営の進め方
土屋氏が考えたデータ経営の進め方
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