日経クロストレンドは、会員限定の無料交流イベント「日経クロストレンド・ミートアップ」を開催します。第8回となる11月26日は「リアル店舗の逆襲~アフターデジタル時代の小売り戦略~」がテーマです。

EC全盛の時代、リアル店舗は逆襲できるか

 あらゆる物がECで買えるようになり、デジタル起点の破壊的なノベーションが次々と起こる中、リアル店舗の存続に黄色信号が灯っています。いわゆる「アマゾン・エフェクト」に巻き込まれる形の既存の小売業界は、このまま衰退するばかりなのでしょうか。

 おそらく、そんなことはありません。ただし、“リアル店舗の逆襲”のためには、既存のビジネスモデルの見直し、修正が必須です。そのカギは、デジタル起点でリアル店舗を捉え直し、店舗の役割や、販売スタッフという貴重な人材の新たな活用法を見つけ出すこと。つまり、オンライン(EC)がオフライン(リアル店舗)を包含する「アフターデジタル」の時代にいかに迅速に対応できるかが重要になります。

「モノを売らない店」の新ビジネスモデル

 その好例は、次世代型ショールームとして、店舗で“売らない”選択をした蔦屋家電+(プラス)です。店舗には、国内で未発売の海外製品やクラウドファンディングでプロジェクトを実施中の試作品などがずらりと並んでいます。この店の主目的は「マーケティングデータの獲得」にあります。

 店舗に配置されたカメラ映像をサーバー側で個人が特定できない形にリアルタイム変換しつつAI(人工知能)で解析。展示製品に関心を示した顧客の「性別」「年代」「滞在時間」を割り出します。また、店舗スタッフの役割も特徴的で、売り上げノルマは追っておらず、「インタビュー接客」によって顧客の生の声を収集することが唯一のKPI(重要業績評価指標)になっています。こうして集めた定量的、定性的なマーケティングデータを展示製品のメーカーにフィードバックするビジネスモデルです。

ショップ店員が「月3450万円」売る

 もうーつ、注目したい企業があります。アパレル店舗のショップ店員が撮影したコーディネート写真に商品情報をひも付け、自社のECサイトやInstagramなどのSNSに同時投稿できるシステム「STAFF START(スタッフスタート)」を提供する、バニッシュ・スタンダード(東京・港)です。1人のショップ店員によるSTAFF START経由のEC売り上げは月間最高で約3450万円に達し、驚異的な実績をたたき出しています。

 その背景には、巧みなインセンティブ(成果報酬制度)設計があります。バニッシュ・スタンダードはSTAFF START導入企業に対し、ショップ店員のコーディネート写真経由のEC売り上げのうち、数パーセントを還元することを推奨。例えばインセンティブが3%なら、ECで月1000万円売り上げたショップ店員は、普段の給料に30万円が加算されるということです。

 従来なら、ECの売り上げは本社のEC部門のものとなり、リアル店舗とは別事業として扱うのが普通ですから、このインセンティブ設計は画期的。ECで稼ぐショップ店員が多い店舗なら、必ずしもリアル店舗で販売する必要はなくなり、体験型ショップに徹することも可能でしょう。蔦屋家電+と同じく、リアル店舗の新しい形を示すサービスといえるでしょう。

小売に加えてメーカーも学べる

 本セミナーには注目の2社、蔦屋家電エンタープライズとバニッシュ・スタンダードのキーパーソンが登壇します。蔦屋家電+オープンから約半年の実績や、得られたマーケティングデータの知見、そしてSTAFF STARTがアパレル業界を中心に巻き起こしているECとリアル店舗双方で稼ぐ「オムニチャネル店員」の衝撃について、それぞれ具体的な事例をもとにお話しいただきます。

 既存のリアル店舗の変革は、決して小売業界だけの課題だけではありません。物の売り方の変化に伴って、これまで「作って終わり」だったメーカー側はどのように変わるべきなのか。また、次世代型店舗に求められるテクノロジーとは何か。本セミナーは、リアル店舗改革の最前線に立つ専門家から最新動向を学べる貴重な機会となりますので、ふるってご参加ください。

【開催概要】

日時:2019年11月26日(火) 19時〜20時30分(開場 午後18時30分)
会場:大手町ファイナンシャルシティ グランキューブ3F グローバルビジネスハブ東京(東京・大手町) ※アクセス
受講料:無料(事前申込制、日経ID登録が必要です)

<お申し込みはこちら>
※満席になり次第、申込受け付けを締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください

【登壇者】
蔦屋家電エンタープライズ
商品企画部 商品調達Unit 木崎大佑氏

バニッシュ・スタンダード
代表取締役社長 小野里寧晃氏

左から木崎大佑氏、小野里寧晃氏
左から木崎大佑氏、小野里寧晃氏
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