日経クロストレンドは2019年8月28日、読者向け無料イベント「日経クロストレンド・ミートアップ」の第5回を開催した。テーマは「次の消費トレンドは『多拠点生活』 30兆円市場『マルチハビテーション』の近未来」。マルチハビテーションとは、1つの家(持ち家、賃貸)にとどまらず、複数の行動拠点で暮らす人を指す。

 ミートアップには、日経クロストレンドが発行したリポート「消費トレンド総覧 2030」を執筆し、2030年に大きく成長する14の消費市場のなかの1つとして「マルチハビテーション市場」を挙げたD4DRの藤元健太郎社長と、「月4万円で多拠点住み放題サービス」を提供するスタートアップ企業ADDressの佐別当隆志社長、国内の5拠点で実際にマルチハビテーション生活をしている“旅するプランナー”の大塚智子氏が登壇。マルチハビテーションの魅力や未来の可能性について、意見を交わした。

市場規模は37兆円以上に

 最初は藤元氏が登壇し、マルチハビテーションに注目した理由を語った。今は、テクノロジーの進歩や働き方改革が進んだことにより、多様なライフスタイルが選択しやすくなっているという。「都会から離れてのんびり過ごしたい」「短期間で様々な場所に移り住みたい」といった願望がニッチからマスへ浸透し、マルチハビテーションに関連する市場が広がっていくだろうと話す。「消費トレンド総覧 2030」のリポート内で、2030年にマルチハビテーション市場の規模は約37.5兆円に達すると予測している。

「消費トレンド総覧 2030」を執筆したD4DR社長 藤元健太郎氏
「消費トレンド総覧 2030」を執筆したD4DR社長 藤元健太郎氏
藤元氏は、「消費トレンド総覧 2030」の中で、2030年に大きく成長する14の消費市場のなかの1つとして「マルチハビテーション市場」を挙げた
藤元氏は、「消費トレンド総覧 2030」の中で、2030年に大きく成長する14の消費市場のなかの1つとして「マルチハビテーション市場」を挙げた

 「過疎化が進む地方自治体は、定住せず短期滞在でも地域に関わってほしいと考えている。今後、空き家マネジメントや移動サービス、荷物の預かりサービスなどが増えて、マルチハビテーション市場の活性化が後押しされるだろう。都心と地方など2カ所で生活する人は増えていくのではないだろうか」(藤元氏)

ニッチからマスへマルチハビテーションが浸透する中で、ワークスタイルが多様化し、移動の定額制や荷物管理などのサービスも登場するだろうと藤元氏
ニッチからマスへマルチハビテーションが浸透する中で、ワークスタイルが多様化し、移動の定額制や荷物管理などのサービスも登場するだろうと藤元氏
マルチハビテーションが浸透すると、「住居」以外にも「移動」や「仕事」などが活性化する。人・モノ・金が流動化すると、市場全体の後押しにつながる
マルチハビテーションが浸透すると、「住居」以外にも「移動」や「仕事」などが活性化する。人・モノ・金が流動化すると、市場全体の後押しにつながる
テクノロジーが進歩することで空き家マネジメントや車中生活者向けの商品など、マルチハビテーション市場のサービスが生まれるだろうと予測する
テクノロジーが進歩することで空き家マネジメントや車中生活者向けの商品など、マルチハビテーション市場のサービスが生まれるだろうと予測する