2019年3月8~17日、米テキサス州オースチンで開催された「SXSW 2019」。Music/Film/Interactive/Comedyが融合した10日間のフェスティバルだ。世界中の注目を集めるこのイベントの中でも存在感が大きかった「Accenture Interactive House」をリポートする。

 SXSWでは音楽、フィルム、インタラクティブ、コメディーという4つの大きなカテゴリーイベントの他、スタートアップ・ピッチ・コンテストや、トレードショーなども同時に開催されており、SXSWで飛躍した米ツイッターや、米ボーズなどが企業ハウスを街中に作って展示したり、新製品の発表の場として活用したりしている。アクセンチュア・インタラクティブはインタラクティブ部門のメインスポンサーである。

 18年同様、コンベンションセンター目の前のレストランを期間中に借り切って展示している。パーティー・ネットワーキング、展示、セッションなど、アクセンチュア・インタラクティブ社内で開発しているプロトタイプなども展示していた。店舗の上部に掲げられたパープルの大きなロゴは一際目立つ。

VR/ARを活用したSXSWらしいプロダクト

 今回、「NEW WAY TO WORK」「PLAY」「SHOP」という3つの展示テーマを設けており、1階入り口付近にあったのは、6つのプロダクト。2階には、9つの展示が行われていた。その中でも筆者が未来を感じた体験展示をいくつかを紹介したい。

(1)EMOTIV
 ウエアラブル脳波計。脳の動きを読み取り、怒り、悲しみ、喜びなどの感情をグラフィカルに示す。筆者がデバイスを装着した感覚だと、VR(仮想現実)ゴーグルのような窮屈さは全くなく、メガネを掛けているような感覚に近い。それほど軽く、頭部自体への負荷が小さく、長時間装着していてもあまり負担にならないと感じた。

左:筆者、右:アクセンチュア・インタラクティブのスタッフ。筆者が額に装着している白い機械が脳波計
左:筆者、右:アクセンチュア・インタラクティブのスタッフ。筆者が額に装着している白い機械が脳波計
脳の中で、どの部分が現在働いているかをグラフィカルに表している
脳の中で、どの部分が現在働いているかをグラフィカルに表している
筆者自身の感情データがディスプレーに表示されている
筆者自身の感情データがディスプレーに表示されている

(2)XR Lab Workers - Powered by Upskill
 現在、企業にとって研究・開発業務は非常に複雑なものになっていると同時に、当然、研究開発投資には上限がある。限られた予算の中で最大の成果をどのように挙げるかかが世界中で課題となっており、研究者は安全かつ効果的に研究することを求められている。XR Lab Workersは、インタラクティブなeラーニングプラットフォームであるUpskill Skylightを使い、研究者の教育・育成効率を向上させようという目的で開発された。

筆者が装着しているのが、XRウエアラブルデバイス。こちらも軽く、窮屈感はあまりない
筆者が装着しているのが、XRウエアラブルデバイス。こちらも軽く、窮屈感はあまりない

 装着したデバイスの内側には小さな画面が付いており、巨大なディスプレーに映すのと全く同じ画面が表示されている。その小さな画面を見つめ、音声認識でコマンドを決定する。試験官に貼り付けたQRコードを読み取り、コードにひも付けた詳細な情報を画面に表示できる。

会場のディスプレーに映し出された黒いブラウザ画面が、デバイス内の小さな画面に表示されている
会場のディスプレーに映し出された黒いブラウザ画面が、デバイス内の小さな画面に表示されている

(3)CAPTURE THE CANTINA AD VIDEO GAME
 ARゲームの一種。タブレット端末が入ったケースを持ち上げ、AR機能を活用して指定の画面を読み込む。すると、タブレット画面にはユーザーの目の前に広がる現実の景色と、ARで表示したモンスターやロケットなどの敵キャラクターが現れる。それをレーザーで打って倒していく。

CAPTURE THE CANTINA AD VIDEO GAMEの画面。“THE CANTINA”は、Accenture Interactive Houseを開催したレストランの名前
ゲームの実際のプレー画面。得点を競うこともでき、ゲームセンターでのゲーム同様に高得点者ランキングも表示されている

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