引き出物インターネット通販「エンジェル宅配」は、直送サービスによって差異化を実現し、ライバルとの競争から脱却することに成功した。しかし、直送サービスはいずれ他社でもまねできてしまうアイデア。そこで、模倣されにくい“オンリーワン”を目指して、次のサービスを生み出した。

結婚式で参列者が持ち帰る必要がある引き出物。アールウェディングが「直送」に次いで新たに世に送り出したサービスとは(写真/Shutterstock)
結婚式で参列者が持ち帰る必要がある引き出物。アールウェディングが「直送」に次いで新たに世に送り出したサービスとは(写真/Shutterstock)

 北九州市で披露宴の司会業をしていたことがきっかけで引き出物販売を始めたアールウェディング(北九州市)。野口莉加社長は、引き出物を直送するニッチなニーズを発見し、ターゲットを絞り込んだことで成功した。ただその過程で、意外な問い合わせを受け、引き出物を会場に持ち込むという新しいニーズも発見した。

 引き出物の持ち込みニーズとは次のようものだ。「実家が農家なので、実家で育てたお米を贈りたい」「新郎の会社で作っている商品を引き出物にしたい」「新婦の手作りのクッキーを引き菓子にしたい」などだ。一般に販売されているものではなく、引き出物として通常提供されていないものを持ち込んでゲストに贈りたいというニーズである。発見したのは、商品ではなく、直送してくれることに価値を求める顧客だった。

きっかけは「和菓子の持ち込み」

 最初に受けた持ち込みの相談は、「近所の和菓子屋さんのお菓子を引き菓子として贈りたい」というものだった。野口社長からすれば、商品を自社で購入せずに持ち込まれてしまうと物販の利益が得られない。もし生ものを希望されれば、傷みやすいので購入してから届けるまでに長い時間をかけられない。できる限り鮮度の高い状態で届けるために、披露宴の2日前に顧客から納品してもらい、当日中に梱包して翌日に出荷する必要がある。不在だった場合には、迅速に連絡を取って再配達するなど、厳密な管理が求められる。

持込み宅配サービスの仕組み
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