※日経トレンディ 2019年4月号の記事を再構成
ミッションを明らかにし、自ら前線で戦い抜く。理想のリーダーを体現する経営者といえば、2014年10月にサントリーホールディングスの社長に就任した、新浪剛史氏だ。三菱商事を経て43歳の若さでローソン社長に就任。14年2月期まで11期連続増益を果たしたプロ経営者に、リーダーシップの源泉を聞いた。
サントリーホールディングス社長
サントリーホールディングスの社長になって5年目、一段落するかと思いきやそんなことはありません。経営者の仕事は知れば知るほど視野が広がって、もっとこれをやらなければ、というのが出てくる。むしろ、頂上はどんどん遠ざかってなかなかたどり着けないという心境です。
(160億ドルで)買収したビーム社との統合作業という大きな仕事を成功させるのが私のミッションです。これをやるために、日本の企業が海外の企業を買収した例をたくさん調べて、成功の条件を探りました。わかったのは、まずは経営が身の丈に合っていなければならない。そして、焦っても何もいいことはない。
「悠々として急げ」の言葉が効いた
会長の佐治(信忠)さんの部屋に、開高健さん直筆の「悠々として急げ」という言葉が掲げてあります。佐治さんはある日私を会長室に呼び出して、色紙を指さすんです。「はて、どちらですか。悠々とし過ぎですか、急ぎ過ぎですか」。こう尋ねると「急ぎ過ぎなんじゃない? もっとどしっと構えろ」と。これが効きました。ビーム社は大きな買い物ですから結果を出さないわけにはいきません。でも、そのために何より大事なのは、我々の根本にある企業の使命を分かち合うことなんです。
ぶつかって燃えた後にダイヤモンドが残った
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー