「100年に1度」の変革期にあるモビリティ業界で、新たに登場した先進的なビジネスモデルを分かりやすく図解する人気連載の第6回。近未来の移動手段として期待され、自動車メーカーや航空機メーカーが実現に動き出している「空飛ぶクルマ」のビジネスモデルを検証する。
20XX年。東京駅でタクシーに乗り、移動し始めると道路は大渋滞。すると、空から大型ドローンがやってきてタクシーとドッキングし、空を飛んで目的地まで運んでくれる――。
まるでSF映画のような話ですが、こんな移動の未来を想像させるコンセプトを提示した企業があります。ドイツの高級自動車メーカーのアウディと航空機メーカーのエアバス、イタルデザインです。2018年末にアムステルダムで行われたイベント「Drone Week(ドローンウィーク)」で、空飛ぶクルマのコンセプトモデル「Pop.Up Next(ポップアップ ネクスト)」を発表しました。自動走行するクルマの上にドローンが着陸し、人が乗るモジュールだけをピックアップして移動させるコンセプトは、新しい時代の始まりのようにも感じました。
航空機メーカーであるエアバスが、自動車メーカーのアウディと手を組んで新しいモビリティ開発を行うのは異例ですが、このような動きは決してエアバスだけではありません。すでに大手航空機メーカーの米ボーイングも都市間航空モビリティ開発に着手しており、電動垂直離着陸機(eVTOL)のフライトテストに成功しています。また、オスプレイで有名なベル・ヘリコプターも、CES2019でパッセンジャードローン「Nexus」を発表し、大きな話題を集めました。
なぜ、今まで航空機やヘリコプターの製造を行っていた大企業が、次々と空飛ぶクルマのコンセプトを発表し、サービスを意識した製品づくりをするようになったのでしょうか。また、空飛ぶクルマが実現した時に、どのような未来が待ち受けているのでしょうか。
次世代の空飛ぶモビリティについては、「空飛ぶタクシー」「空飛ぶクルマ」「ドローンタクシー」など様々な言葉で表現されていますが、今回は「航空機メーカーが作る垂直離着陸ができる次世代飛行機」を空飛ぶクルマとしてまとめます。
●空の移動もサブスクリプションモデルに変化する
FUTURE~空の移動は将来~
●垂直離陸型の普及による、Point To Pointの移動が始まる
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