省人型店舗特集の後半では「Amazon Go」型店舗に着目し、その実現方法や開発・導入企業の狙いを読み解く。第6回は初期投資わずか100万円で、“商品を取って店を出るだけ”というAmazon Go型の買い物体験を実現した常設店舗を取り上げる。その裏にはシステム開発会社ならではの「割り切り」があった。
欲しい商品を手に取り、店を出れば支払いが終了──。米アマゾン・ドット・コムがレジなしコンビニ「Amazon Go」を一般向けに開業して以降、その驚異の買い物体験は大きな話題となり、さまざまな企業が 「ウオークスルー(通り抜けるだけで決済が完了する)」を実用化しようと開発競争を繰り広げている。しかし、手に取った商品を正確に認識して決済まで持っていく精度の問題や、膨大なコストなどの面から実際の店舗に導入されているケースは非常に少ない。
そんななか、「完全キャッシュレス」「レジなし」「ウオークスルー」を実現したAmazon Go型カフェが2019年2月、東京・秋葉原にオープンした。システム開発のクラスメソッド(東京・千代田)が運営する「Developers.IO CAFE」だ。
買い物のプロセスもAmazon Goと同様。まず自分のスマホに専用アプリをインストールし、アカウントを作成。アプリで表示したQRコードのIDをかざして入店する。あとは欲しい商品を手に取って外に出るだけ。物販エリアの外を出るとアプリに登録したクレジットカードで決済が行われ、数秒でレシートがメールで送られてくる仕組みになっている。
買い物ができる物販スペースはカフェ店内の一部で、ファミリーレストランの玩具やお菓子を売っているスペース程度と広くはない。商品数も20アイテム程度とそれほど多くはないが、実際に何度か買い物をしてみたところ、商品を出したり戻したり、天井のカメラらしき機械の死角になるように商品を取ってみたりしてみたが、取った商品が正確に決済されていた。
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