デジタル技術を駆使し、店舗を省人化する取り組みが相次いでいる。その中身や狙い、解決策を探る特集の1回目。省人型店舗の流れは、支店網の運営が課題となっているメガバンクにも及び始めた。三菱UFJ銀行が乗り出したデジタルによる店舗改革の第1歩とは──。小売り流通業界が推し進める省人化の背景や傾向と併せて解説する。
省人型店舗への取り組みが、業種を超えて広がり始めた。これまではコンビニエンスストアやスーパー、ドラッグストアといった小売り・流通や、外食などがこの動きをけん引してきたが、メガバンクも積極的に取り組み始めた。
三菱UFJ銀行は2019年1月、タブレット端末や新しい現金自動預け払い機(ATM)などを複数設置し、顧客が窓口の銀行スタッフとやりとしなくても、原則、端末操作だけで用事が済む新型店を都内に開設した。店舗名は「MUFGネクスト」。学芸大学駅前支店(東京・目黒)の1階ATMスペースを大幅に拡張し、窓口のある2階部分とは別に、支店内に新型店を置く形を採った。
新型店には窓口はなく、現金の引き出しや振り込みといった手続きは、タブレット端末や新型ATMで対応する仕組み。氏名変更や住所変更などの各種届け出、住宅ローン借り入れの相談や相続の相談などを希望する顧客は、新型店奥に配置されたテレビ電話端末を使って銀行スタッフとやり取りし、手続きや相談ができる。手続きの内容によっては、顧客が新型店のタブレット端末を操作して画面上で書類を作成し、2階の窓口に上がると、画面上で作成した書類を基に、銀行スタッフが対応する。
当面は「コンシェルジュ」と名付けた案内スタッフを新型店内に5人程度配置し、手助けが必要な顧客については、そのニーズを聞いて必要な端末やATMに誘導し、使い方まで教える態勢を取る。
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