2019年上半期にブレイク必至の食品を予測する特集の最終回は、新トレンドを追う。シニアや若い女性向けに、朝食でプロテインを補給できる商品が登場。ノンフライ製法の「サクサク天かす」や、凍らせれば低カロリーの豆乳アイスに早変わりする豆乳飲料など、趣向を凝らした商品が集まった。

※日経トレンディ 2019年4月号の記事を再構成

 健康関連食品ではプロテイン市場が急成長。従来はアスリートや筋肉マニアなど一部のファンが支えた限定的な市場だったが、近年、シニア層の筋力維持や若い女性のボディーメーク需要でマーケットが拡大。1日のうち最も不足しがちな「朝」のタンパク質補給が手軽にかなう、ヨーグルトドリンクや6Pチーズなど乳製品の「プロテイン増し」商品が相次いで発売された。

 コンビニの人気商品にあやかり、既存商品の用途を広げる動きにも注目だ。オタフクソースは、家庭でのお好み焼き作りに欠かせない天かすのラインアップに、ノンフライ製法による「だしとうまみのサクサク天かす」を追加。天かす、天つゆ入りの「悪魔のおにぎり」(ローソン)の大ヒットを追い風にして、自家製おにぎりで「悪魔系」ファンの取り込みをもくろむ。

 既成の枠を飛び越え、調味料の可能性を広げる「NEO調味料」の出現も、19年上半期の新たなムーブメント。エスビー食品からは、「きざみ青じそ」など売り上げが好調のきざみ系チューブ入り調味料シリーズに、「きざみねぎ塩」が登場。焼肉店などでしか味わえなかった「誰もが好きな味」を最も手軽な形で食卓に持ち込んだ。かけてレンチンするだけで温野菜料理が完成する、業界初の電子レンジ専用調味料「かけてチン♪温菜おかず」(味の素)は、「食卓にもう一品欲しい」ときの副菜需要に応え、支持されそうだ。

 SNS映えしそうな“クリア系”手作りスイーツ「もちぷっち」(昭和産業)は、水と混ぜるだけで、手品のごとくキラキラもちもちに変身。フルーツやチョコをくるむなどして、親子で工夫しながらお菓子作りが楽しめる。冬場のホットケーキミックス級の定着を狙う。

 キッコーマン飲料の「豆乳飲料」も、凍らせるだけで低カロリー豆乳アイスに早変わりするマジックスイーツ。ユーザー発案のこの食べ方は、18年5月にSNSで大ブレイク。この機を逃すまいと19年2月には、アイスで食べておいしい「ラムレーズン」「マカダミアナッツ」の新味をリリースした。夏場に親子でデザート作りが楽しめる新提案として、こうしたギミックのあるスイーツは人気を呼びそうだ。

おいしくプロテインヨーグルト(日清ヨーク)

飲むヨーグルトで
毎朝の摂取を習慣化

 朝食などでもっと手軽にタンパク質を取れるように、ドリンクヨーグルトにホエイプロテインを2グラム増量。1パック(450ミリリットル)でタンパク質15gを摂取できる設計。

Q・B・Bプラス習慣6Pたんぱく質25%アップ(六甲バター)

プロテインを25%増量
健康・美容需要を狙う

 健康維持や美容目的の需要が引っ張り、プロテイン市場が近年急成長するなか、従来品よりタンパク質を25%増量、1ピース(15グラム)当たり3.7グラム配合したのが「プラス習慣」。朝食でのプロテイン補給を推奨する。

だしとうまみのサクサク天かす(オタフクソース)

業界初のノンフライ天かす
「悪魔のおにぎり」に追随

 カロリーを気にする人に配慮し、油を使わないノンフライで製造。かつお節粉末などを練り込み、だしを利かせてサクサクの天かすに仕上げた。推奨レシピはおにぎり。

2018年10月に発売され、3カ月で1700万個を突破したローソン「悪魔のおにぎり」
2018年10月に発売され、3カ月で1700万個を突破したローソン「悪魔のおにぎり」
本品と麺つゆで自家製「悪魔のおにぎり」
本品と麺つゆで自家製「悪魔のおにぎり」

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