※日経トレンディ 2019年4月号の記事を再構成

2019年上半期にブレイク必至の食品を予測する本特集。第1回はチルド食品編。「バイヤーズグランプリ」(日本アクセス)で1位に輝いた「凄味麻婆豆腐の素 香りの四川式」(ハウス食品)をピックアップする。カレーペーストで培った技術で、丸美屋食品工業、味の素が分け合う市場に割って入る。

「バイヤーズグランプリ」ランキング

日本アクセス 春季フードコンベンション2019
「バイヤーズグランプリ」とは?
 大手食品卸の日本アクセスが2019年1月に開催した、東西会場で延べ1150社出展の大型展示商談会「フードコンベンション」の特別企画。光文社の生活情報誌「Mart」の読者会員が選ぶ「Mart新商品グランプリ」の“プロ版”で、エントリーした83の新商品を、スーパーやコンビニなど流通各社の食品バイヤーが投票。加工食品、チルド飲料、チルド食品、冷凍食品、アイス、嗜好飲料の6部門で得票数の多い順にランキングした。日本アクセス、流通専門誌「DIAMOND Chain Store」とのコラボ企画。

凄味麻婆豆腐の素 香りの四川式(ハウス食品)

思わずうなる深いコクと花椒の香り
競合棚を避けて豆腐売り場に活路

辛みが強い「四川式」
辛みが強い「四川式」

 中華メニュー用調味料で最大カテゴリーの麻婆豆腐のもとは、近年市場拡大が続き200億円超に。丸美屋食品工業と味の素の2大巨頭がシェアを分けるなか、後発で参入を果たしたのが、ハウス食品の「凄味麻婆豆腐の素 香りの四川式」だ。

 特徴は、同社のカレーペースト「きわだちカレー」で培った独自の低温殺菌技術により、加熱で香りや風味が損なわれるのを抑えたこと。その結果、昨年ブレイクしたシビ辛調味料「花椒(ホアジャオ)」の香りや、豆板醤(トウバンジャン)、甜麺醤(テンメンジャン)、豆鼓醤(トウチジャン)の風味とコクをしっかり残せた。実際に口に含んだ瞬間も、花椒の刺激が感じられ、中華料理店の味と遜色ない本格感を感じられた。

 スーパーなど小売店には、競合ひしめく調味料棚ではなく、豆腐類売り場での陳列を強力にプッシュ。「売り上げ減が続く豆腐の底上げ効果が見込め、小売店側が受け入れやすい提案」(ハウス食品)。人気の中華が、食卓の需要をさらいそうだ。

ショウガとオイスターソース風味の「広東式」も併売
ショウガとオイスターソース風味の「広東式」も併売
(写真上)ペーストは粘性が強く、やや出しづらかった。(写真下)ひき肉をいためた後に水とともに入れ、サイの目に切った豆腐を加えて静かに混ぜ合わせて完成。失敗なしで簡単に作れた
(写真上)ペーストは粘性が強く、やや出しづらかった。(写真下)ひき肉をいためた後に水とともに入れ、サイの目に切った豆腐を加えて静かに混ぜ合わせて完成。失敗なしで簡単に作れた
昨年来の花椒ブーム
今年も続いてピークに
 花椒(上写真)は舌がしびれるように痛くなる“シビ辛”の香辛料。19年はモスフードサービスから「麻辣モスバーガー しびれる花椒ソース使用」(下写真)なども登場。ハウスは今年がブームの最高潮と見る。

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