富士通や富士通デザインが、聴覚障害のある人のために、室内や建物内で何が起こっているのかが分かるようにするシステムに挑戦している。室内や建物内に小型マイクを設置し、チャイムやドアの開閉音といった環境音をAI(人工知能)で認識し、光や文字を使った独自の情報端末にビジュアルで表示する。
2016年度から総務省の関連事業として進められているこのプロジェクトが対象としているのは、補聴器などでも補えない重度の聴覚障害のある人。「環境音の共有を図ることで、聴覚障害がある人と周囲の人とのコミュニケーションを高め、生活の向上を目指す」と富士通マーケティング戦略本部ブランド・デザイン戦略統括部エクスペリエンスデザイン部の小野晋一氏は説明する。
AIで環境音を認識させるといっても、簡単ではなかった。周囲の雑音もあり、環境が変われば認識できないこともある。どんな環境下でも、例えばドアのノックを正しく認識できるようにするため、何度も試行錯誤を重ねてきたという。
平均認識率は91.8%を達成
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー