レベルファイブも運営に携わっているゲームコンテスト「GFF AWARD」が19年で12回を迎えました。手応えはいかがですか?

非常に感じています。このコンテストを続けてきたおかげで、ゲームなどのコンテンツビジネスに対して行政もすごく目を向けてくださっている。アマチュア向けのコンテストですが、決勝に出ている学生たちのレベルは高く、作品を制作している時点で既に有名ゲーム会社から注目されて、内定が決まっていることもあるんです。

 「GFF AWARD」を続けながら、自分は若い人を応援するのが好きなんだと改めて思いました。若い人たちの才能を発見するってすごく楽しくて。例えば社内でも僕が一番新入社員と付き合いがあると思いますし、発見するだけじゃなくて、学ぶことも多いんですよ。彼らからちょっとでも若い感覚をもらおうというのも多分にありますね。

福岡ゲームコンテスト「GFF AWARD」は、福岡ゲーム産業振興機構が未来のゲームクリエイター育成を目的に開催している(写真は19年3月9日に開催された「GFF AWARD 2019」表彰式の様子)
福岡ゲームコンテスト「GFF AWARD」は、福岡ゲーム産業振興機構が未来のゲームクリエイター育成を目的に開催している(写真は19年3月9日に開催された「GFF AWARD 2019」表彰式の様子)

若い世代から学んだことで、印象に残っているのは?

YouTubeなどで見かける「短い動画」のブームについてですね。最初、彼らがそれを望む感覚がよく分からなかったんですが、だいぶ追いついてきました(笑)。アニメは1話30分くらいが普通じゃないですか。でも今、ネットには10分で見られるコンテンツや1話8分のドラマなどが結構ありますよね。

 30分のアニメの場合、1本見て、続けてもう1本見たら、あっという間に1時間じゃないですか。それよりも、電車の中などで起承転結のある8分間のドラマを見るほうがちょっとすてきだよね、というのが若い世代の感覚で、これが時代性ですよね。

 今はみんな、まとまった時間が取れなくなっていると思うんです。一方で友達を待っている時間とか、そういった「隙間時間」はいっぱいある生活スタイルになっている。そこに入り込んでいくのは大切だと思っていますね。

 ゲームも短いセンテンスで遊んですぐやめられるってすごく大事な要素になると思います。スマホゲームでは10年くらい前からそんな仕様だったかと思いますが、今後はすべてのゲームでそれが求められると思うし、その工夫は既にやっています。『妖怪ウォッチ ぷにぷに』は配信開始以来ずっと人気が続いていて、先日1500万ダウンロードを突破したんですが、1プレーが非常に短いことが成功の理由の1つだろうなと。コンソールでもその感覚がますます必要になってくると思います。

1500万ダウンロードを達成した『妖怪ウォッチ ぷにぷに』 (C)LEVEL-5 Inc. (C)NHN PlayArt Corp.
1500万ダウンロードを達成した『妖怪ウォッチ ぷにぷに』 (C)LEVEL-5 Inc. (C)NHN PlayArt Corp.

既存タイトルに加えて『妖怪学園Y』、eスポーツを意識した新作、映画も含めた「二ノ国」シリーズの新展開、さらにスマホゲームにも力を入れると盛りだくさんでしたが、最後に19年をどんな年にしたいか、改めて聞かせてください。

19年は「堅実に信頼を取り戻していく」をテーマに、メーカーとしての信頼性を上げていきたいと思っています。20年がいろいろな意味で勝負できる年だと考えているので、それを実現させるためにも、19年は自分たちの身を固めていく形で動きたいと考えています。今後大きくジャンプするために、まず足回りをしっかり固める、そんな1年にするつもりです。

日野晃博(ひの・あきひろ)氏
レベルファイブ代表取締役社長/CEO
福岡の開発会社でメインプログラマー、ディレクターを経て、子どもたちにワクワクしてもらえるゲームを作りたいという思いから、1998年10月にレベルファイブを設立。世界累計出荷1700万本以上を記録した「レイトン」シリーズなど、幅広いユーザーに向けた温かみのある作品づくりが特徴。また映画やテレビと連動したクロスメディア展開を得意とし、「イナズマイレブン」シリーズ、「妖怪ウォッチ」シリーズなどヒット作を次々とプロデュースする

(写真/藤本和史)