eスポーツとゲーム配信は切っても切れない関係に

eスポーツへの取り組みはいかがですか?

『鉄拳7』と『ドラゴンボール ファイターズ』は、格闘ゲーム大会「EVO」を筆頭に、ワールドワイドで多くの大会を開催し、盛況でした。『鉄拳7』はプロライセンス選手も増やしましたね。18年に発売した『SOULCALIBUR Ⅵ』も含めて、19年もeスポーツに力を入れたいと思っています。

2018年、米国のラスベガスで開催された世界最大級の格闘ゲーム大会EVO2018では、『鉄拳7』の大会も開催され、盛り上がった (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
2018年、米国のラスベガスで開催された世界最大級の格闘ゲーム大会EVO2018では、『鉄拳7』の大会も開催され、盛り上がった (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
EVOでは『ドラゴンボール ファイターズ』の大会も開催 (C)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
EVOでは『ドラゴンボール ファイターズ』の大会も開催 (C)バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

 イベントなどで新しい発表をしたときの反応や、上手なプレーヤーの動画が動画配信サイトなどで世界中に配信され、それがタイトルのプロモーションにつながる。eスポーツとゲーム配信はもはや切っても切れない関係です。多くの人に連鎖していく様がすごく面白い。こうしたファンの盛り上がりが、私たちのモチベーションにもつながりますね。

 ただeスポーツに関しては、企業ではなくファンのコミュニティーによって盛り上がっていて、私たちはそれに参加させていただいているのだと考えています。その意識を忘れずに、ユーザーに喜んでもらえる発表をしたり、機能を提供したりして、一緒に盛り上げていきたいと考えています。

18年に特に印象的だった海外市場はありますか?

アジアが非常に伸びています。『太鼓の達人 Nintendo Switchば~じょん!』と『エースコンバット7 スカイズ・アンノウン』が、日本を含むアジアで50万本を突破しました。2本は全く異なるタイプのゲームでしたが、両方受け入れられたことで自信にもなりましたね。これからは、地域に合ったプロモーションやマーケティングを今まで以上に行っていこうと考えています。

 海外に関しては、その国や地域により特化したものを作っていくつもりです。アジアで力を入れていきたいのはタイ。2月に発売した『ジャンプフォース』でタイ語のローカライズに初めてチャレンジしたところ、大きな反響がありました。非常に伸びている市場でユーザーも熱狂的なので、今後ワールドワイドで発売していくタイトルでは、タイ語にも対応していく予定です。

初のタイ語ローカライズ作品となった『ジャンプフォース』 (C)JUMP 50th Anniversary (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
初のタイ語ローカライズ作品となった『ジャンプフォース』 (C)JUMP 50th Anniversary (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

研究所を新設、パックマンは2020年に40周年

今後、期待しているタイトルを教えてください。

4月に、バンダイナムコ研究所という会社を設立しました。ゲームにこだわらず、エンターテインメントの分野で新たなアイデアや価値を見いだしたいと考えています。主にAI(人工知能)を活用した画像や映像、キャラクターの表現に使えるような技術研究をしていく計画です。

 家庭用ゲーム機向けの新作タイトルは、先にもお話した『CODE VEIN』の発売を19年に予定しています。同じく19年に発売予定の『ニンジャボックス』は、先行して『月刊コロコロコミック』で漫画連載を始めました。主に小学生向けのオリジナルIPですので、こちらも期待しています。

 スマホゲームでは「テイルズ オブ」シリーズ2年ぶりの新作となる『テイルズ オブ クレストリア』を配信予定です。既存ファンはもちろん、初めて「テイルズ オブ」シリーズに触れる方にも手に取ってもらいやすいような作りにしているので反響が楽しみです。

『CODE VEIN』はPlayStation 4/Xbox One/STEAM向けのタイトル (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
『CODE VEIN』はPlayStation 4/Xbox One/STEAM向けのタイトル (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
『ニンジャボックス』はNintendo Switch向け。主に小学生向けのオリジナルIPだ (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
『ニンジャボックス』はNintendo Switch向け。主に小学生向けのオリジナルIPだ (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

 スマホゲームは、新作に限らず、既発のタイトルでも、周年祭などがあります。定期的に盛り上がりを作りつつ、ユーザー同士が楽しめるイベントを企画していきたいですね。『ドラゴンボール レジェンズ』はラスベガスで世界大会を開催し、配信中の各地域にオンラインで実況生中継しました。このようなイベントは、大勢の人がタイトルに触れるので、そこに絡めた運営やアップデート情報の紹介ができます。とても効果的だと思っています。

 最後に、自社のIPである『パックマン』が2020年に40周年を迎えます。世界的な知名度を持つ人気IPですから、関連事業をいろいろ考えているところです。有名アーティストとのコラボレーションやオリジナル楽曲の提供など、パックマンを身近に感じてもらえるような展開ができればと思います。

1980年に登場し世界中で人気になった『パックマン』が来年40周年を迎える。有名アーティストとのコラボレーションなど、さまざまな関連事業を企画しているという
1980年に登場し世界中で人気になった『パックマン』が来年40周年を迎える。有名アーティストとのコラボレーションなど、さまざまな関連事業を企画しているという
宇田川南欧(うだがわ なお)氏
バンダイナムコエンターテインメント常務取締役
NE事業部・CE事業部・CEアジア事業部 担当 兼 事業戦略担当

1974年、東京都生まれ。1994年バンダイに入社。メディア部で商品開発管理業務などに携わり、1996年、デジタルコンテンツ事業部へ異動。以後、ネットワーク分野の仕事を担当。2000年、バンダイネットワークス設立に伴い転籍し、主にパソコンやモバイル向けコンテンツ開発に携わる。バンダイナムコゲームスへの統合により転籍し、2009年、同社NE事業本部第2コンテンツプロダクションマネジャー。ゼネラルマネジャー、ディビジョンマネジャーを経て、2014年に執行役員就任。2017年4月に取締役就任。18年4月より現職

(写真/田口沙織)