ゲームにはライフスタイル改革と通じるものがある

日本マイクロソフトにとっても、ゲームは重要な位置付けになっていますか?

日本マイクロソフトが大きな戦略の中で進めていることと、ゲームが進んでいく方向性はかなり一致してきていると思います。

 日本マイクロソフトでは今、日本の働き方改革やライフスタイル改革を推進しています。それは社内でも同様なのですが、クラウドが浸透するまで、セキュリティーを確保しながらいつでもどこでも働ける環境をつくることは大変だったんですよ。今ではどこにいても、ノートパソコンがあれば会議に参加できますし、クラウドにアクセスして、メンバーと一緒に資料を作ることもできます。

 ゲームにもこれに通じるところがあります。昔は「うちで一緒にゲームやらない?」と言って、テレビの前にみんなで座り、一緒に騒いでいました。今は、「何時に(ゲーム内の)あそこで会おうね」と約束すれば、同じ場所に集まらなくてもオンラインで一緒にプレーできます。

 一昔前まで、パソコンは仕事の生産性を上げるための機器でした。でも今は、ゲームや音楽、映画といったエンターテインメントも楽しめるようになっている。これさえあれば、どこにいても仕事がこなせるし、個人の世界に入ってリラックスすることもできる。それが、(マイクロソフトのビジネスの中で)ゲームがコアなものの1つと位置付けられる理由であり、最終的に40億人もの人がゲームを楽しむようになるだろうと考えている背景です。

今まではXboxというハードとそのコンテンツとしてのゲームソフトを両輪に、売り上げを伸ばしてきましたが、ターゲット層が限定的で、マイクロソフトのビジネスの中では閉じた印象がありました。今は会社全体の目標を達成するうえで、ゲームが重要な役割を担うようになってきたということですね。

その通りです。現在、家電量販店ではゲームコーナーが急速に拡大しています。以前は限られた層がユーザーだったのに対し、今は一般層にも広がっているということです。

 その理由の1つに、我々のパートナーであるPCメーカーがゲームに注力していることがあると思います。例えばレノボ・ジャパンは、デビット・ベネット社長自身がゲーマーということもあって、製品ラインアップの中でゲーミングPCを充実させています。

 デルの「ALIENWARE」、HPの「OMEN」といったゲーミングPCブランドでは、以前は非常に高価なモデルが多かったのですが、最近は一般のPCに近いエントリーモデルも充実させています。

 さらに、一般のPCにゲーミング用に近いモデルも出てきており、パソコンでゲームをやってみようかなという人の裾野が広がってきているように思います。

これまでは、Xboxなどゲーム機の販売台数がゲーム業界のトレンドを測る指標として注視されてきましたが、今後はハードの売り上げだけで市場の状況を把握することはますます難しくなりそうです。

確かにこれまではXboxの売り上げなどが我々の事業指標でした。しかし今は、どれくらいの人が実際にXboxを使っているかも指標になってきています。

 例えば、我々はゲームプラットフォームとして月額制の有料サービス「Xbox Live Gold」を提供しています。登録していただくと、好きなゲームのコミュニティーに入って、オンラインマルチプレーができます。また、無料のゲームを1カ月当たり2~4つダウンロードできます。このXbox Live Goldにどれくらいの人がいらっしゃるかなども重要になってきているのです。

 さらに、量販店と協業してどんなイベントを開けたか、メッセージを発信できたか、マーケティング的なものを伝えられたかというのも事業指標に含まれるようになってきました。将来的には、Xbox Live Goldでどれくらいゲームが遊ばれたかも指標に入ってくるでしょう。

月額制の有料サービス「Xbox Live Gold」
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