グローバル視点で存在感ある企業規模に拡大目指す

中国にはすでに「三国志系のスマホゲーム」は数えきれないほどありますが、その中で成功した要因は何でしょう?

あくまでも仮説ですが、PCゲームの勃興期から、当社は『信長の野望』や『三國志』などのシリーズを展開していました。その時代に海賊版で遊んでいた人たちの中では、三国志のゲームならコーエーがオリジナルという意識があったのではないでしょうか。

 そうしてコーエーの『三國志』を遊んでいた人たちが、やがてゲーム会社の経営層になり、コーエーに『三國志』のIPを貸してほしいという依頼をくださるようになりました。これが3、4年前のことです。そして、もし自分たちで『三國志』をスマホゲームにするなら、こうしたいとアレンジをしてくださったのが『三國志2017』の誕生につながったのではないかと思います。

『三國志』のIPの強さがあったということですね?

そうですね。ただ、社内(日本国内)にいると、「『三國志』ってIPなの?」という感じで、自分たちの持つIPの価値に誤認識があったのかもしれない。彼らの成功によって、我々のIPの強さを知り、非常にいい刺激を受けました。

 我々が勘違いしていたことの1つが、スマホゲームの開発を始めるときに、すでにパッケージで販売しているオリジナルゲームのビジネスを邪魔しないように、ちょっと変化を付けようとしていたことです。これは余計な考えでした。

 多くのユーザーは、家庭用でも、PC用でも、スマホ用でもちゃんとした『三國志』を遊びたかったんだということを理解しました。我々は誤った道を進んでいたんだ、という学びができたのです。19年はそうした反省を基に、社員一同がどのように頑張ってくれるのか非常に期待しています。

アプリ開発を増やすなら、開発者も増やしますか?

19年4月には、新卒が100人近く入社予定ですし、20年には横浜みなとみらいに新本社ビルが完成しますから、開発人員をさらに増やせるようになります。スマホゲームだけではなく、家庭用ゲームでも500万本級のタイトルを開発するには人員が必要です。開発体制なども見直して、ラインを増やさなければ難しいと思っています。

 全世界で見ると、PlayStation 4(PS4)も販売台数が1億台に届きそうですし、SteamなどのPCプラットフォームも非常に強い。それに加えて、スマホゲームアプリ市場が全世界で12兆円規模まで拡大していると言われています。それなのに、自社の売り上げ規模が一定のままだとすれば、シェアが減っているということです。市場の伸びに合わせて、会社規模もある程度大きくしていかなければ、いつの間にか負け組になってしまうのではないか、という危機感があるんです。

 グローバルの視点で見ると、今のコーエーテクモゲームスの規模は小さいなと感じています。世界中の国々でコーエーテクモゲームスを認識していただくためにも、企業規模は大事ですから。家庭用ゲーム機向けで500万本級の大型タイトルを1本出したら、次は3年後――というサイクルではなく、毎年コンスタントに開発できる底力を付けたいですね。