30人の予定に1100人超が応募

 地方での生活に興味がある若者は一定数いて、空き物件もある。ただし、1カ所に縛られる完全移住はハードルが高い。また、空き物件は部屋数が多く、都心のようなワンルームタイプはほとんどない。そこで、多拠点居住のシェアサービスとして提供し、都心部と地方が人口をシェアリングすることで、「空き家問題」の解決にも貢献しようという考えだ。その考えが「多拠点コリビングサービス」に込められている。リクルートホールディングスも、18年末に発表した「2019年のトレンド予測」で、都心と田舎の2つの生活=デュアルライフ(二拠点生活)を楽しむ人を意味する「デュアラー」を挙げていた。

 同社は18年12月20日からサービスを利用したい会員希望者30人を募集したところ、既に1100人以上の応募があり、20~30代が70%超を占めたという。反響を受け、当初5拠点で開始予定だったが、11拠点でスタートすることになった。物件所有者・提携先の開拓のため、空き物件を購入・リノベーションして販売するカチタスや、不動産情報サイト「東京R不動産」を運営するR不動産(東京・渋谷)などの物件調達パートナーから協力を得る。また、地方自治体との連携にも取り組み、第一号として、滋賀県大津市と提携を発表。空き家になっている町家や琵琶湖畔の遊休企業保養所を活用し、定住でも観光でもない関係人口を増やして、街の活性化に取り組む。

 佐別当氏は「サービス名のADDressは、住所をADD(追加)できる、という意味で名付けた。地域住民の方々にとっても、常連の来訪者がいると安心感がある。イベントなども行って街の価値を上げてほしい」と青写真を描く。目標は、「2030年に会員100万人、拠点数20万軒、100万室」(佐別当氏)と大きいが、「これでも空き家2000万軒の1%」だという。

早くも競合サービスが登場

 同社の株主には、佐別当氏が所属するガイアックスのほか、自ら3拠点に滞在しながら活動するITジャーナリストの佐々木俊尚氏ら個人も名を連ねる。また、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」を運営する家入一真氏、Satoyama推進コンソーシアム代表の末松弥奈子氏ら、シェアリングや地方創生で知見を持つ有識者がアドバイザーとして参画している。

 他にも多拠点住み放題サービスが動き始めている。長崎市のスタートアップ企業KabuK Styleが定額で世界中に住み放題をうたう「HafH(ハフ)」を4月に開始する。19年1月8日に1号店を長崎市内にオープンし、クラウドファンディングサイト「Makuake」を通じて約400人から1000万円超の支援を受けた。ゲストハウスの運営会社などと提携して拠点を増やしていく。

 2019年は住まいのシェアリング、コリビングサービス元年になるかもしれない。