眼鏡でもサブスクリプションサービスが2019年4月にスタートする。メガネの田中チェーン(広島市)が展開する「ニナル」は、月額2100円(税別)の3年契約で3本まで眼鏡を交換できる。眼鏡選びは無難で保守的になりがちだが、サブスク型なら気になるフレームを試しやすい。同社は潜在需要の掘り起こしに期待を寄せる。
全国116店舗の眼鏡店を展開するメガネの田中チェーンが、眼鏡・サングラスのサブスクサービス「ニナル」を4月1日から開始する。本特集第6回でコンタクトレンズ大手メニコンの定額制サービス「メルスプラン」を紹介したが、眼鏡のサブスクは国内初の取り組みだ。
メガネの田中は、関東での出店が東京・銀座と埼玉・越谷の2店のみのため、関東圏の居住者にはなじみが薄いかもしれないが、創業は1913年で100年超の歴史がある老舗眼鏡店。眼鏡チェーン業界では、「眼鏡市場」(メガネトップ)、JINS、「パリミキ」(三城グループ)、「Zoff」(インターメスティック)、メガネスーパー、「メガネの愛眼」(愛眼)の6社に次ぐ業界7番手に位置する(出所:『眼鏡DB(データベース)2017』眼鏡光学出版)。
新サービスのニナルは、月額2100円(税別、以下同)で提供する定額制の眼鏡・サングラスの掛け替えサービス。契約期間は3年で、約300種類の商品の中から好みの眼鏡またはサングラスを選び、期間中に3本まで、レンズを含めて交換できる。サービス対象のフレームは実売価格3万円台の新品で、約300種類から順次増やしていく。同店で取り扱っている全フレームの8~9割、約1000種類まで対応する予定。
サービス名称の「ニナル」は、「眼鏡が似合うあなたになる」「眼鏡で新しい自分になる」の意味を込めたという。ニナル事業を率いる同社取締役の嶋谷謙二氏は、眼鏡のサブスク事業を始める狙い、動機について次のように語る。
「当社のお客様は、平均するとレンズと合わせて4万~5万円台の眼鏡を購入し、4~5年利用されている。決して安い買い物ではなく、また顔の印象を左右するものでもあるので、ちょっと気になるデザインのフレームがあっても、なかなかチャレンジしづらい。『結局、無難なデザインのフレームを選ぶ』『前と同じタイプの眼鏡を使い続ける』という選択になりがちだった。そんな眼鏡選びにおける課題を乗り越えて、もっと自分に似合う眼鏡との出合いを提供できないか、新しい出合いを通じて“眼鏡ファン”を増やせないかと考えていた時に、昨今さまざまな業界で導入が増えつつあるサブスクリプションモデルが目に留まった。月額制で掛け替えができるサービスならば、新しい眼鏡との出合いが提供できそうだと思い至った」。
ニナルの利用客は、例えば40代に入って近くが見えづらくなった人なら、1本目として軽めの遠近両用を試してみる。そしてパソコン仕事が増えそうならPCメガネを2本目に、営業でゴルフをする機会が多くなりそうなら度付きのサングラス、あるいは趣味で釣りに行くなら偏光サングラスを3本目に、といった具合に掛け替えていくことができる。
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