ペットボトルの日本茶といえば、飲料メーカーにとってはコーヒー飲料や炭酸飲料に並ぶ稼ぎ頭だ。その新製品ともなればプレゼンテーションにも力が入る。今回取り上げるのは「キリン 生茶 ほうじ煎茶」の資料。発売から1年という短いスパンで打ち出したリニューアルの意義をどう伝えたかに注目したい。
日本人にとって、食事や仕事の休憩あるいは行楽のお供に欠かせない、年齢にかかわらず親しまれている飲み物といえば日本茶だ。
全国清涼飲料連合会によると、2020年における清涼飲料の品目別生産量シェアは、茶系飲料が24.3%でトップ。このデータから分かるように、ペットボトルの日本茶は飲料メーカーにとって激戦区である。伊藤園の「お~いお茶」やサントリー食品インターナショナルの「伊右衛門」などライバルも多い。
茶系飲料には定番中の定番があって、その牙城を崩すのは難しい。そんな状況でヒットを飛ばしたのがキリンビバレッジの「キリン 生茶 ほうじ煎茶(以下、ほうじ煎茶)」だ。発売は20年9月。ほっこりするという印象や、スイーツに合うという理由から、ほうじ茶の市場が広がりつつあった。それに加えて、香ばしくて余韻が爽やかという「ほうじ煎茶」の味付けや、和モダンのパッケージデザインが評価された。
発売月の販売実績は同社の過去10年の新商品でナンバーワン。発売から約4カ月(20年9月~12月)で193万箱の販売を記録し、販売数は年間販売目標の163%に上ったという。
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