あらゆるプレゼンテーションには目的がある。新商品をバイヤーに紹介するプレゼンであれば、「うちでも取り扱ってみよう」と思ってもらうことがゴールだ。「これは売れる商品だ」と感じてもらうには、どう説明すればいいのか。ゼブラのボールペン新製品の資料でその秘訣を探っていこう。

ゼブラのボールペン「ブレン」は発売から2年で出荷数が1000万本を超えたヒット商品。そのヒットを支えたのが今回のプレゼンテーション資料だ
ゼブラのボールペン「ブレン」は発売から2年で出荷数が1000万本を超えたヒット商品。そのヒットを支えたのが今回のプレゼンテーション資料だ

 “ペン先がブレないボールペン”として、文具大手のゼブラ(東京・新宿)が2018年12月に発売した商品が「ブレン」だ。しっかりとした書き心地で、ストレスなくメモが取れることで人気となった。その後、追加ラインアップとして21年2月に登場したのが「ブレン 2+S(以下、2+S)」だ。新モデルでは黒と赤のボールペンに加えて、シャープペンシルも内蔵している。今回は、この2+Sのプレゼン資料を紹介する。

 資料は文具店などの小売業者や卸業者のバイヤーに見せるためのものだ。20年末から21年の年初にかけての商談に使われたという。

 資料の前半は「ブレン」の特徴を説明するスライドになっており、「ストレスなく集中して書ける」「ストレスフリーな書き心地」といった言葉が並ぶ。キーワードである「ストレス」という言葉を、表紙を除いた最初の4ページまでに9回も登場させることで印象づけている。

スライド内で連呼することで「ストレス」というキーワードを印象づけている
スライド内で連呼することで「ストレス」というキーワードを印象づけている

 この辺りの説明は従来モデルと変わらないのだが「プロの文具店は日々大量の商品を見ているので、ブレンの特徴について印象が薄くなっている可能性がある。新モデルとして改めて認知してもらいたいと考えた」とゼブラ商品開発部の樺島夕紀子氏は話す。

 「ペン先がブレない」ことがどれほどストレスの軽減になるかは、言葉やデータで説明するだけでは、なかなか伝わりにくい。そこでプレゼン時には、YouTube上にアップした動画を再生し、拡大カメラで従来のボールペンとブレンの仕組みの違いを見せた。「販売店の方にも、動画を見せることで本当だね、と納得してもらうことが多い」(樺島氏)とのことだ。

スライドに仕込んだQRコードで動画へと誘導する。動画を見ると実際にブレていないこと、ブレない仕組みがよく分かる
スライドに仕込んだQRコードで動画へと誘導する。動画を見ると実際にブレていないこと、ブレない仕組みがよく分かる
プレゼン中に見せたYouTubeの説明用動画がこちら

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