聞き手が専門知識を持っているか、そうでないかでプレゼンテーションの内容は変わる。専門知識を持っている聞き手には、より密度の高い情報を示す必要がある。見やすさと情報密度をどう両立させるか。第一三共ヘルスケアが販売する外用鎮痛消炎薬「ロキソニンS 外用薬シリーズ」の例を紹介しよう。
購入の際に処方箋が必要な処方薬として1986年以来30年以上も使われてきた第一三共ヘルスケアの消炎鎮痛剤「ロキソニン」は、2011年にスイッチOTC(オーバー・ザ・カウンター)の「ロキソニンS」として市販されるようになった。スイッチOTCとは、処方薬と同等の成分を含む薬品をドラッグストアなどでも買えるようにした市販薬のことだ。
11年に発売されたロキソニンのスイッチOTCは鎮痛・解熱効果のある内服薬のみだったが、5年後の16年には肩や腰、関節などの痛みに使うロキソニンS 外用薬シリーズも登場する。当時の外用薬シリーズは薬剤師しか販売できない第1類医薬品に指定されていた。20年8月、薬剤師に加えて登録販売者も販売可能な第2類医薬品に変更されたことで取扱店舗が急増。同年9月には販売額の前年同月比が約210%となる売れ行きを見せたという。
今回のプレゼンテーション資料は、16年8月の発売前にスイッチOTCとして外用薬シリーズを販売することを説明する記者発表会で使われたものだ。
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