青魚のサバを原材料に発売から1カ月で35万袋を売り上げたヒット商品が、味源(香川県まんのう町)のスナック菓子「SABACHi(サバチ)」だ。このプレゼン資料の見どころは、展示会で集めた声を取り入れたことで訴求力を向上させた点といえる。
サバチはサバを原料とした珍しいチップスだ。魚を使った加工食品と聞くと観光地の土産物や珍味が頭に浮かぶかもしれないが、この製品はちょっと違う。味源の西山泰和社長は「コンビニやスーパーで普通の菓子として販売するチップスで、サバを主原料としたものは他にはないだろう」と話す。
海産物を含むスナック菓子は他社製品にもいくつかある。しかし西山氏によれば「原材料のうち3~5%しか(海産物を)含まないものもある」とのこと。原材料の約70%をサバが占めるサバチには、どれほど多くのサバが使われているかが分かるだろう。30グラム入りの袋が1つ250円(税別)と、スナック菓子にしてはやや高価であるのもうなずける。
味源は小さなメーカーで、知名度では大手にかなわない。「真正面からでは対抗できないので、常に特徴のある製品を開発してきた」と西山氏。味源は、いわば“ゲリラ戦的手法”で大手メーカーが思いもよらないような製品をリリースし続けているのだ。
サバチは市場調査のために西山氏がタイを訪れたときに見た、魚を原料にしたチップスにヒントを得た。当初は酒のさかなになるチップスを考えたのだという。「食べても罪悪感のない、健康にいいつまみを考えた。ところが出来上がったら、予想以上に栄養価が注目された」(西山氏)
サバ缶ブームが後押し、テレビで紹介されてブレーク
サバチの発売は20年2月。スーパーマーケットなどを対象にした展示会に出品したところ、サバの栄養価の高さが注目されて評判に。サバの水煮缶が人気になるなど、この数年のサバブームも追い風となった。
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