発売当初はよく売れていた商品でも、日がたつにつれて売り上げが落ちてくることがある。そんなときは商品構成や販売方法を変えるなど、多くの企業がてこ入れを図る。今回は、3年ぶりのリニューアルで人気商品の座に返り咲いた「湖池屋プライドポテト」にまつわるスライドを紹介しよう。
総合スナックメーカーの湖池屋が2017年2月に発売した「KOIKEYA PRIDE POTATO」は、従来のポテトチップスにはないパッケージで注目されたヒット商品だ。湖池屋は16年10月にコーポレートブランドを統合しており、新生・湖池屋を代表するブランドとして生み出されたのがPRIDE POTATOだった。スナック類は年間20億円を売り上げればヒットといわれるが、PRIDE POTATOは初年度の売り上げで約40億円を達成している。
発売当初はとてもよく売れていたPRIDE POTATOだが、1年後の出荷数は落ち込んだ。16年秋の台風でジャガイモの収穫が減り、一部シリーズを出荷停止したことも影響し「発売当初は印象には残ったが、その後の継続的な購買につながらなかった」(湖池屋マーケティング本部マーケティング部第3課の髙戸万里那氏)と説明する。
PRIDE POTATOの発売から3年余り。髙戸氏を主要メンバーとする湖池屋のマーケティング部は、商品構成や販売方法のリニューアルに挑み、「湖池屋プライドポテト」と名を改めた商品を20年2月に発売する。ここでは19年11月ごろに作成された、社内の企画資料兼商談資料のスライドを抜粋して紹介しよう。
髙戸氏が営業部からマーケティング部に異動になった2カ月後、PRIDE POTATOをリニューアルするプロジェクトが始まった。「新入社員として営業を始めたとき、担当バイヤーが初めて私の目を見て話を聞いてくれたのがPRIDE POTATOだった」と髙戸氏は振り返る。思い入れのある商品だけに、プロジェクトが本格化した19年8月ごろからは本人いわく「あまり(当時の)記憶がない」ほど没頭したという。
資料の前半ではPRIDE POTATOの販売実績を提示している。当初は大ヒットしたが1年後には出荷数が大幅に落ち込んだこと、品目が乱立しすぎたことなど、旧シリーズの変遷を見せることで新ラインアップ投入の意義へと導いていく。
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