企画書が欲しいと言われたとき、プレゼン用のスライドだけを送りつけるのは最悪だ。そんな企画書はそもそも読んでもらえないし、読んでもらえたとしても伝わらない。分かりやすい企画書で熱意を伝えたいなら、スライドの作成・配布方法を再考すべし。

「企画書が欲しい」と言ったらプレゼン用のスライドが送られてきたことはないだろうか(写真提供/Shutterstock)
「企画書が欲しい」と言ったらプレゼン用のスライドが送られてきたことはないだろうか(写真提供/Shutterstock)
今回のポイント
1.スライド単体では企画書として用をなさない
2.PowerPointなら音声付きスライドショーがお薦め
3.クラウド上で動画を公開できるSparkVideoも便利

 僕の元には頻繁に「PowerPoint(パワーポイント)」のスライドが企画書として送られてくる。プレゼンテーション用のスライドは口頭での説明を組み合わせることで成立しているので、スライド単体ではまったく意味が分からない。プレゼン用のスライドをそのまま企画書として送ってはいけないのだ。

 逆に、説明するべき内容がすべてスライドに含まれているなら、企画書としてそのまま送っても理解してもらえるとも言える。

 そこでお薦めしたいのが音声付きのスライドだ。「企画書を送ってほしい」という相手に、PowerPointのスライドを単体で送りつけても、まず見てもらえない。しかし、「5分間の音声付きのスライドショーをぜひご覧ください」と伝えれば、再生してもらえる可能性は大きくなる。しかも自分の声で熱意を込めて伝えることができるのだ。

PowerPointで音声付きスライドショーを作る

 PowerPointは、ずいぶん昔のバージョンからスライドショーを保存する機能を搭載している。最近では進化して、スライドと一緒に録音も保存できるようになった。

 これが実に理にかなっている。以前はミスが許されず、一発でプレゼン全体を記録しなければならなかった。しかし、1つもミスをせずにプレゼンを完成させるのは、慣れていない人にはかなりハードルが高い。

 僕が使っている「PowerPoint 2016」ではスライドのページごとに音声を録音できる。説明を録音したらスライドをめくり、次の説明を録音したらまためくることを繰り返せばいいので、もしミスをしてもスライド1枚分を録音し直せば済む。言うまでもなく完成したスライドは、すべての音声がスライドに合わせて再生される。

スライドの記録には「スライドショーの記録」を利用する
スライドの記録には「スライドショーの記録」を利用する
スライドに自分の顔を入れることも可能だ
スライドに自分の顔を入れることも可能だ
スライドのページごとに音声を記録(録音)していく
スライドのページごとに音声を記録(録音)していく
ノートを表示できるので、内容をチェックしながら作業を進められる
ノートを表示できるので、内容をチェックしながら作業を進められる

PowerPointによるスライド作成の課題

 とはいえ、スライドの保存にはいくつか注意点がある。まず、録音にはマイクとスピーカーが欠かせない。スピーカーがなくても録音はできるのだが、再生して内容をチェックするためには必要だ。

 今回サンプルとして作成したスライドの音声は「ThinkPad X1 Carbon」の2017年モデルで録音したのだが、マイク性能がイマイチで声が割れてしまっている。本気で使いこなしたい人は、外付けの指向性マイクを用意したほうがいい。

 完成したスライドには音声が収録されているが、単にスライドを送っただけでは、受け取った相手は音声が録音されていることに気づかないだろう。「パソコン上でスライドショーを再生してほしい」と伝えるのも忘れずに。

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