スライドの注目キーワードをレーザーの光で指し示す――。大きな会場でプレゼンをするとき、注目を引くための効果的なテクニックだ。そのために使われるレーザーポインターも進化し、高機能化している。プレゼンの達人、戸田覚氏がポインターの新たな活用テクニックを紹介する。

レーザーポインターにスライドを「進める」「戻す」ための機能を加えたプレゼンターという製品が使われるようになってきた(写真/Shutterstock)
レーザーポインターにスライドを「進める」「戻す」ための機能を加えたプレゼンターという製品が使われるようになってきた(写真/Shutterstock)
今回のポイント
1.ポインターは多機能化したプレゼンターに進化
2.Bluetoothよりも専用アダプター接続が有利
3.緊急時にはPowerPointのポインター機能を使う

 レーザーの光でプレゼンのスライドを指し示す道具が「レーザーポインター」だ。プロジェクターの近くに常に置いている会社も多いだろう。頻繁にプレゼンをする人なら、机の引き出しやカバンの中に「マイポインター」を忍ばせているかもしれない。価格もこなれており、ビジネスツールとして定着している。

 だが、プレゼン名人といわれるビジネスパーソンの間では、もはやレーザーポインターは時代遅れなのだ。今はスライドをめくるボタンなどを搭載して多機能化した「プレゼンター」が一般的になりつつある。

 今回は、この機器の選び方や使いこなし方のほか、PowerPointの機能を活用した戸田式ポインター術をまとめて紹介していこう。

遠隔のスライドめくりで自由度が増す

 従来のレーザーポインターを使っていて何より困るのが、スライドをめくる作業はノートパソコンで行い、別の手に持ったレーザーポインターで指し示すという、煩雑さだ。プレゼン中は、伝えるべき言葉に集中できるのが理想だ。複数の作業を同時にこなしていると、せわしなさが伝わってしまうかもしれない。

 時には演説台から離れて、聞き手にぐっと近づいたり、ステージの中央で製品を見せたり、といった演出をしたいこともある。せっかく盛り上がったその時に、スライドをめくるためにパソコンまで戻らなければならないのは興ざめだ。

 そこでスライドを「進める」「戻す」ための機能を搭載しているプレゼンターをお薦めしたい。下の写真のロジクールの新モデル「R800」は、無線でパソコンとつながり、本体のボタンを押せばPowerPointのスライドがめくれる。プレゼンをスタートするボタンに加え、カウントダウン方式のタイマーも付いているので、残り時間も把握しやすい。数ある選択肢の中でも、高機能な製品だ。

写真はロジクールの新製品「R800レーザープレゼンテーションリモート」(オープン価格、オンラインストア価格は税別で約1万380円)
写真はロジクールの新製品「R800レーザープレゼンテーションリモート」(オープン価格、オンラインストア価格は税別で約1万380円)

 中央のボタンを押すと、緑色のレーザーを発光する。なぜ緑なのか。従来のレーザーポインターは赤い光のものが多いのだが、暗い部屋では赤より緑の方が視認性が高いと言われている。個人的な実感でも、緑色の方が見ていて疲れない気がする。緑色のレーザーを出力するには構造が複雑になるため、単機能のポインターでも当初は数万円と高価だったが、今ではずいぶん安くなったものだ。

中央のボタンを押すと、緑色のレーザー光を放射できる
中央のボタンを押すと、緑色のレーザー光を放射できる

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