「次回は1時間たっぷり話さなくてはいけない」。そんな気負いがあるときほど、スライドに情報を詰め込みすぎてしまうものだ。途中までは快調に話していても、終盤で時間がなくなり「これは飛ばします」ではみっともない。プレゼンの話を時間内にきっちり終わらせるテクニックを戸田覚氏が指南する。
2.経過時間や残り時間をノート欄に書く
3.スマホやApple Watchのタイマーを活用
今回は、僕が長年掛けて編み出した、プレゼンを時間ぴったりに終わらせるテクニックを紹介しよう。本来なら、単行本のキラーコンテンツにしたいところだが、本連載を長らくお読みいただいている皆さまに、お礼の意味を込めて公開させていただく。
講演の仕事では、時間通りにスライドを終わらせるのが前提となる。僕も最初は苦労した。最近では、さまざまなテクニックを使って、誤差1分程度できっちりと終わらせられるようになった。
一般的な商談や打ち合わせでも、プレゼンの時間はだいたい決まっているものだ。例えば、1時間で商談をする場合。あいさつや質問などを考えれば、40分で終わらせたい――となるだろう。
最悪なのは、プレゼンが長すぎて尻切れトンボになってしまうこと。重要な結論が後半にあるのに、そこにたどり着かないと商談が台なしになる。聞いているほうもしっくりこないので「最悪のプレゼンだった」と思われる始末だ。
すなわち、時間通りにプレゼンが終わるのがベストなのだ。ぴったりが難しいのなら微妙に早く終わる程度に組み立てるべきだ。
多すぎるスライドはトーク力でカバー不可
自分の言いたいこと、伝えるべき内容をスライドで網羅するのは当然だ。それにも増してもっと大事なのは、時間を考えてスライドを作ることだ。
適当に作ったスライドは枚数が少なすぎたり、多すぎたりする。トークに自信があるなら、枚数の少ないスライドでもなんとかカバーできるだろう。だが、多すぎるスライドを飛ばしながらプレゼンをしていくのは、話がうまくても印象は悪い。
特に出来合いのスライドを使い回したときに、そうなってしまうことが多い。相手も察知して、この商談のために力を入れて作ったスライドではないなと感じてしまう。これは最悪だ。スライドを飛ばすなら、最初から抜いておくべきなのだ。
まとめるなら、スライドを作り始める時点で大まかな枚数が決まっていないといけないと言いたいのだ。
長年数え切れないほどのプレゼンを取材してきてたどり着いた結論は「1スライド3分の法則」だ。プレゼンがうまいと言われる人は、通常のスライドであれば1枚当たり3分程度で説明することが多いのだ。つまり、40分の説明時間なら、13~14枚のスライドを目安に作れば大きく外さない。
時と場合によっては、意表を突いて⼤量のスライドをガンガンめくっていく「秒速プレゼン」も効果的だが、これは応用ワザと考えて欲しい。
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