写真やイラストといったビジュアル要素を加えると、いよいよスライドの完成形が見えてくる。いずれも説得力を増し、直感的に分かりやすくするためのものだが、使い方を誤ると十分な効果は得られない。プレゼンテーションの達人、戸田覚氏が写真の切り抜きとピクトグラムの活用法を指南する。

背景などにこだわって写真を撮影する方法もあるが、スライド向けの製品写真を手っ取り早く用意するには、背景を消去する「切り抜き」機能を使う手もある(写真/Shutterstock)
背景などにこだわって写真を撮影する方法もあるが、スライド向けの製品写真を手っ取り早く用意するには、背景を消去する「切り抜き」機能を使う手もある(写真/Shutterstock)
今回のポイント
1.写真の「切り抜き」で配置の自由度アップ
2.直感的に分かる「ピクトグラム」を活用
3.ピクトグラムの組み合わせ技で用途拡大

 今回は、写真の撮り方やイラストの使い方に自信がない人でも、それなりに見栄えがするスライドを作る方法を紹介していこう。もちろん、短時間で作れないと意味がない。手間暇をかけないことを目指すのはこれまで通りだ。

 まずは写真から。撮影に自信がある人が撮った写真でも、実はプレゼンのスライドに使うには適さないことが多い。特に商品の写真撮影は難しい。日常の風景や人物スナップのように、スマホのカメラで簡単に撮ればいいというわけにはいかない。

 プロのカメラマンは、余分な影を出さずに光をどう当てるか、雰囲気を出すためにどうピントを調節して背景のボケ味を生み出すか(あるいは出さないか)、背景をどう作るか、といったテクニックを持っている。使っている機材も素人のものとは違う。普段我々が広告やパンフレットで見かける製品は、そうしたテクニックに基づいて撮影されている。

 そうしたプロの写真に見慣れていると、よほど写真が得意という人でない限り、素人が撮影した製品写真は見劣りしてしまうことが多いのだ。とはいえ、コストや時間の関係で、どうしても自分で撮影した写真しか用意できないこともある。そんなときには、「切り抜き」を使うのが最近のトレンドだ。

説明的なスライドには、このような複数の製品を並べた写真はやや使いにくい。文字が写真に重なってしまう場合があるからだ。背景の色合いとも合わせにくい
説明的なスライドには、このような複数の製品を並べた写真はやや使いにくい。文字が写真に重なってしまう場合があるからだ。背景の色合いとも合わせにくい

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