プレゼンテーションに起承転結の流れを持たせ、緊張感や笑いどころを演出する。そんな理想を追求したい気持ちは山々だが、スライド作成の効率化を目指すには、過剰なこだわりは避けたいところ。スライドの構成をどう素早くまとめるか。プレゼンの書籍を多数執筆した戸田覚氏が指南する。
2.重要な要素は最初か最後に持ってくる
3.社内用のスライドが外部で通用するとは限らない
「あの人はプレゼンがうまい」と一口に言うが、その要因は多岐にわたる。もちろん発表するときの話し方は大切だし、スライド作りがプレゼンに与える影響も大きい。スライド作りのうまさというと、多くの人はデザインや見出しなどの文章の巧みさをイメージすることが多い。実は、その前段階として重要なのが構成だ。
前回、プレゼンのスライドは紙芝居と同じだと解説した。構成も同様だ。紙芝居のストーリーが相手を引き込むようにできていなければ、関心を持って見てもらうことはできない。物語の順番が支離滅裂では、そもそも見る気にすらならない。今回はスライドの構成について深掘りしていこう。
スライドの一覧画面で構成を練る
企画書などWordで作った文書の構成に手を加えようと思うと、ちょっとした手間がかかる。ブロックで文章を移動し、必要なら、図や写真も一緒に動かさなければならない。ページ区切りがおかしくなってしまい、全体のレイアウトをし直すことになりかねない。
PowerPointのスライドの構成変更は実に簡単だ。スライドを一覧表示にして入れ替えればいい。ページ番号も勝手に切り替わるので、手間はほとんどかからない。説明する順番に合わせて番号を振っているようなケースでは、多少の修正が必要だが、Wordに比べると簡単そのものだ。
だからこそ、僕は可能な限り構成にこだわることを強くおすすめする。デザインや話し方も大切だが、その前に、まず相手に伝える順番、すなわち構成を明確なコンセプトを持って決めてほしいのだ。紙芝居は構成が考え抜かれていれば、同じ物語でも興味深くなる。プレゼンもまったく同じだ。
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