
マーケ&テック 米国の実像
米アマゾン・ドット・コムと米ウォルマートがリアルとネットの両方で激しい競争を繰り広げる米国市場。AIやビッグデータなどのテクノロジーはどのように活用されているのか。アマゾンエフェクトの現状も含め、マーケティングの最前線では何が起こっているのか。現地でないと分からない、マーケティングとテクノロジーの最新情報を伝える。
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第122回2021.04.13グーグルと米食品スーパー2位、アマゾンの敵同士が提携米グーグルが米食品スーパー2位のアルバートソンズと提携し、デジタルによる買い物や購入体験の高度化に乗り出す。ネット検索や地図、画像認識AI(人工知能)などグーグルの主要なテクノロジーを幅広く活用する。新型コロナウイルスの感染拡大以降、米アマゾン・ドット・コムはテクノロジーを活用した食品スーパーの展開を加速しており、アマゾンの敵同士が手を組む。
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第121回2021.03.30エアビー創業者が卒業生に送る、逆境を乗り切る4つの秘訣民泊大手の米エアビーアンドビーのネイサン・ブレチャージク共同創業者は、新型コロナウイルスの感染拡大で卒業旅行に行けない日本の学生に対して、同氏の経験を基にオンラインで講演した。「バーチャル卒業旅行」として位置付け、エアビーの起業の経緯や困難の乗り越え方を話した。
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第120回2021.03.16謎の“使い捨てカメラ”アプリDispoが日本進出、創業者を直撃フィルム型の使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)のような体験を提供する謎のスマートフォンアプリ「Dispo(ディスポ)」。なぜ次の日の朝にならないと撮った画像を見ることができないのか。初の本格海外進出として日本を選んだ理由は何か。米ディスポの共同創業者でありCEO(最高経営責任者)のダニエル・リス氏が単独インタビューに応じた。
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第119回2021.03.09ゴルフも“アマゾンエフェクト”か、プロツアーがDXで提携米プロゴルフの競技団体PGAツアーが米アマゾン・ドット・コムと手を組んだ。クラウドサービスを利用して競技の映像データを流すほか、AI(人工知能)を利用した顧客体験の改善など広範に契約。アマゾンはあらゆる産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への関与を強めている。
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第118回2021.03.02米大型家電店が突然全店閉鎖、取引先離反にコロナがとどめ米西海岸を中心に31店舗を展開する老舗の大型家電量販店「Fry’s Electronics」が2021年2月24日、全店舗を閉鎖し、事業を停止すると発表した。ネットの米アマゾン・ドット・コムと、リアル店舗の総合スーパーの米ウォルマートなどのはざまで競争力を失い取引先が離反。新型コロナウイルスの感染拡大がとどめを刺した格好だ。
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第117回2021.02.09在宅でガラリと変わる勤務、MSが「従業員満足度」の向上策米マイクロソフト(MS)は2021年2月4日(現地時間)、従業員の成長を支援するサービス群を発表した。MSのコラボレーション用のサービスなどと連携し、共同作業だけでなく、研修や学習、精神面における健康などを実現していくとしている。働き方が変わるなか、企業内に分散している情報を統合、分析・共有することで生産性の引き上げや、従業員満足度の向上につなげる狙いがある。
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第116回2021.02.03アマゾンのベゾスCEO突如退任「今が最適、クレージーは日常に」米アマゾン・ドット・コムは2021年2月2日、ジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)がエグゼクティブチェア(執行会長)となり、クラウドサービスの米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のCEOであるアンディ・ジャシー氏が昇格すると発表した。21年の第3四半期に交代するという。
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第115回2021.01.29グーグルが代替クッキー公表、ブラウザーのAIが利用者を分類米グーグルがWebブラウザー「Chrome」において、サードパーティークッキーに代わる技術を提案した。AI(人工知能)によって利用者の属性を分析し、大きなユーザーグループに分類する。その情報を広告主側のサイトから参照して反応を分析。利用者に合った広告を表示することで、少なくとも95%のコンバージョン率を実現できるとしている。
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第114回2021.01.26ウォルマートのeコマース責任者ロア氏が退社、本業DX優先か米ウォルマートのeコマース戦略を率いてきたマーク・ロア氏が退社する。米メディアが2021年1月15日、報じた。ロア氏らが開発してきた先進的なサービスよりも、ウォルマートとしては店舗でのピックアップサービスなど本業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進める狙いがありそうだ。
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第113回2021.01.19ウォルマートがフィンテック、50兆円の経済圏を自前金融に米ウォルマートが自社経済圏の拡大に向け、フィンテック企業を設立する。若者向け金融サービスに詳しい投資会社と組んで、スタートアップなどと連携してノウハウを取り込んでいく考えだ。顧客だけでなく従業員にも利用してもらう、新たな経済圏となる。
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第112回2021.01.12米アマゾンが観光ライブコマース「合羽橋の包丁を品定め即購入」米アマゾン・ドット・コムが、オンライン観光にライブコマースを合わせたサービスを試行している。オンラインで観光地を訪ねたり、スキルを磨いたりするサービスの1メニューとして2020年後半に試行を開始し、同年末から米国の一般ユーザー向けに告知を始めた。世界の観光地のバーチャル体験に、アマゾンの強みであるショッピング機能を組み合わせた格好だ。
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第111回2021.01.05マーケDXで次に来るもの、新常態に必須な「5D」マーケティングにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するうえで、2021年に起こる新たな変化で押さえておくべきものは何か。新型コロナウイルスの感染拡大への対応、そしてその先にあるニューノーマル(新常態)の時代にどう対応すべきか。様々な業界でディスラプション(破壊)が起きている米国の状況から、「5D」のキーワードで読み解く。
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第110回2020.12.22AI最高峰学会でサイバーエージェントの専門部署が金星AI(人工知能)分野の有力な国際学会である「NeurIPS」が2020年12月6日から12日までオンラインで開催された。評価の高い論文が選ばれる口頭発表に日本勢が17件採択され、ネット広告大手のサイバーエージェントもその1チームとなった。2016年に立ち上げたAI専門部署「AI Lab」の成果が出た格好だ。
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第109回2020.12.15アップルがアプリ広告を21年初から制限、同意なしのアプリは削除米アップルがプライバシー保護の一環として打ち出していた、アプリ広告の制限を2021年初頭から実施に移す。米主要メディアが報じた。利用者がオプトインで同意しないと、アプリに広告を配信できないようになる。アップルはこれに違反したアプリを削除する構えだ。
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第108回2020.12.08「現金がなくなり、買い物はデジタル通貨に」、米ペイパルCEO新型コロナウイルスの感染拡大で、キャッシュレス決済の代表格である米ペイパルは追い風を受けている。4割近く利用が伸びて年間100兆円の決済に使われようとしている。2020年11月にはビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の取引に参入。2021年には「デジタル通貨」として、全世界で暗号資産での買い物を可能にする計画だ。どのように買い物手段にしていくのか、ダン・シュルマン社長兼最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。
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第107回2020.11.27ビデオ会議の未来(下)顧客サポートや営業もニューノーマルにZoomに代表されるビデオ会議サービスはビジネスパーソンのミーティングやオンライン授業などさまざまな分野に浸透した。こうしたなか、ビデオ会議サービスを産業のBtoB分野やビジネスパーソンの日々の活動の支援など、新領域で活用する動きが出てきている。コロナ後のニューノーマル時代を占ううえで押さえておく必要がありそうだ。
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第106回2020.11.25ビデオ会議の未来(上)アップルも一目置く「ンーフー」船出米エバーノートの共同創業者で元CEO(最高経営責任者)のフィル・リービン氏が手掛ける新しいビデオコミュニケーション用アプリ「mmhmm(ンーフー)」のMac版が正式にリリースされた。著名な米ベンチャーキャピタル(VC)のセコイア・キャピタルが出資を即断したり、米アップルの新型Macのオンライン発表会にも登場したりして注目されている。今回から2回にわたり、ビデオ会議の将来像を探る。
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第105回2020.11.16ウォルマートが楽天などに株式売却 日本での意思決定に体制移行米ウォルマートは2020年11月15日(米国時間)、傘下の西友の株式を楽天、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表した。ウォルマートは西友の株式を一部保有し続ける。楽天は小売業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する新会社を設立し、オンラインとオフラインの連携で小売業を支援していく。
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第104回2020.11.11アップルが在宅需要を狙う新MacBook 新CPUでカメラ高性能に米アップルは2020年11月10日(現地時間)、ノートパソコン「MacBook」シリーズと、据え置き型の小型機「Mac mini」の新機種を発表した。価格は同じか値下げで、演算処理性能を最大で3.5倍引き上げた。カメラやマイクの性能も向上させ、コロナ禍に対応し在宅業務の需要も狙う。
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第103回2020.11.10FBが狙うVR/AR覇権(3)責任者に直撃、次世代機どうなる?前回まで米フェイスブック(FB)のVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の取り組みを解説してきた。その総本山と言えるVR・AR部門「Facebook Reality Labs(FRL)」は、どんな研究開発をしているのか。次世代機はどうなるのか。FRLの責任者であるAndrew Bosworth氏に、聞いた。
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第102回2020.11.09FBが狙うVR/AR覇権(2)アプリの5つの壁を壊せるか、Googleも追撃米フェイスブックは、仮想空間に没入するVR(Virtual Reality)とともに、現実空間に仮想の物体や情報を重ねて表示し、現実を拡張するAR(Augmented Reality)に注力している。とりわけ重要なのは、キラーアプリの確立だ。いまだ理想には遠いが、5つの壁を打ち破る研究開発にまい進する。
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第101回2020.11.06FBが狙うVR/AR覇権(1)異例の低価格戦略、赤字覚悟の再起動米フェイスブック(FB)が米オキュラスVR(Oculus VR)を2014年に20億ドル(約2100億円)で買収して6年。VR(仮想現実)で再び攻勢をかける。ハードウエアの着実な進化に加えてサービスを充実させて再起動した。
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第100回2020.10.30Zoomが新戦略、“アップストア”やイベント市場を投入米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズはオンラインイベント「Zoomtopia 2020」において、ビデオ会議サービス「Zoom」の機能を拡張したり、オンラインイベントを販売したりできる新サービスを発表した。Zoomを活用してビジネスを行う、中小から大企業まで幅広いパートナーを支援。外部の力を活用して、Zoom経済圏のエコシステム拡大に取り組む考えだ。
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第99回2020.10.238000超えのマーケテック、先進10企業に見る組み合わせの妙マーケティングテクノロジーの独立系専門イベント「MarTech」がオンラインで開催された。マーケテック・スタックの使いこなしのコンテストで10社が選出された。各社各様の使いこなしとデザインは、日本企業にも参考になるだろう。
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第98回2020.10.14「iPhone 12」が磁石を内蔵した理由 電源アダプターは無し米アップルは2020年10月13日(現地時間)、スマートフォンの新機種「iPhone 12」の4モデルを発表した。次世代通信の5Gに対応し、カメラ機能を高性能化するなど、予想通りの新機能を投入した。イベントでは、iPhoneの使い勝手を向上させるための「磁石」を披露し、電源アダプターやイヤホンを同こんしないことを発表した。
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第97回2020.10.02「アレクサが人の会話に参加」 アマゾンが音声AIの次世代版米アマゾン・ドット・コムは2020年9月24日(現地時間)、ハードウエア製品の発表イベントを開催した。音声AI(人工知能)アシスタント「Alexa」を搭載したデバイスの新製品などを発表した。AI処理を高速化する専用半導体を搭載。人間と会話するかのように対話したり、命令内容を学習したりする新機能を披露し、AIの進化に注力した。
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第96回2020.09.25ウォルマートの新サブスクを体験、店内の新決済は発展途上米ウォルマートが2020年9月15日、配送料無料で当日に配送するサブスクリプションサービス「Walmart+」を開始した。アプリで簡単に利用でき、生鮮品も含めて時間通りに配達された。一方でWalmart+の店内特典である、スマホアプリによる決済機能は発展途上だった。
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第95回2020.09.16コロナ対策やサブスクに注力、アップルが新Watchを投入米アップルは2020年9月15日(現地時間)、新製品発表会を開催し、新しい腕時計型端末を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に合わせた機能や、サブスクリプション契約を推進するサービスを多数投入した。
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第94回2020.09.11アップルの端末ID変更の波紋、アドネット崩壊で収入半減も米アップルが打ち出したプライバシー施策がデジタル広告の業界に大きな波紋を投げかけている。iPhoneの個別端末を認識するIDの提供を、従来通りの活用が難しい「オプトイン」にする方針を実行に移し始めたからだ。米フェイスブックは同社や広告業界に大きな影響があると警告を出している。
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第93回2020.09.04ウォルマートがAmazon対抗サブスク、店舗倉庫化で当日配送米ウォルマートは2020年9月1日、店舗からの無料配送などを利用できる会員サービス「Walmart+」を発表した。米アマゾン・ドット・コムの「Amazon Prime」に対抗し、半数以上の店舗で当日配送を可能にする。ウォルマートは店舗を配送拠点として活用し、アマゾンに対抗する狙いだ。
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第92回2020.08.21「フォートナイト」の乱、アップルがEpic制圧に急所を痛撃人気アクションゲーム「Fortnite(フォートナイト)」を手掛ける米Epic Gamesが、米アップルや米グーグルに反旗を翻した「戦い」が激化している。Epicが独自の課金システムを開始すると両社がアプリストアでのゲーム配信を停止。Epicがアップルを提訴した。それに対してアップルはさらなる一撃を繰り出した。
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第91回2020.07.17米国マーケで注目「ストーリーテリング」 作詞家のように考えるコンテンツ戦略のカンファレンス「Confab(コンファブ)」では、コンテンツ企画、コンテンツ制作のワークフロー、UXライティングなど、コンテンツの質を高めるためのさまざまなノウハウが得られる。その中からストーリーテリングのテクニックを紹介する。
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第90回2020.07.01ネットフィットネス新興を500億で買収、加スポーツ・ルルレモンカナダのスポーツウエア大手、ルルレモン・アスレティカは2020年6月29日(現地時間)、フィットネススタートアップの米ミラーを買収することで合意したと発表した。ルルレモンはミラーを買収することで、ネットワーク経由での家庭内フィットネス市場を開拓する。
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第89回2020.06.25無料テークアウト支援サービス続々 米楽天は現金2割バック新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの飲食店がテークアウトやデリバリーを始めている。デリバリーサービスと契約した場合、店や顧客に手数料がかかり負担が大きくなっている。こうした状況を改善しようと、日本の著名エンジニアや米楽天が無料のテークアウトサービスを立ち上げている。
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第88回2020.06.15大型イベントのオンライン化で4万人集客 米テック企業の運営術新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの企業が米国での大型イベントを中止している。そうしたなか従来1万人のリアルイベントをオンラインで5万人規模に転換したのが、米半導体大手のエヌビディアである。どのプラットフォームを利用し、課題は何だったのか。今回のオンラインへの転換を指揮した総責任者に聞いた。
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第87回2020.05.298000に達したマケテクツール、どれを選びどう組み合わせるか毎年米国カリフォルニア州サンノゼで開かれている、マーケティングテクノロジーの独立系専門イベント「MarTech」。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年4月、オンラインイベントとして開催された。世の中に8000もあるマーケティングテクノロジーのツールを、いかに組み合わせるか。その組み合わせを意味する「スタック」と呼ばれる概念について、考え方や構築方法が共有された。
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第86回2020.05.19フェイスブックのZoom対抗は個人向き!? 思いついたらすぐ招集米フェイスブックの新しいビデオ会議サービスが米国で利用できるようになった。タイムラインからすぐに開始でき、同時に50人まで利用できるのが特徴だ。参加者が仮装したり、ゲームを楽しんだりできる機能も提供する。「Zoom」への対抗策だが、ビジネスよりもプライベートで利用されそうだ。
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第85回2020.05.15カオス化進むマケテクマップ、20年は会話型やデータ管理急増マーケティングテクノロジーの独立系専門イベント「MarTech」がオンラインで開催された。毎年恒例のマーケティングテクノロジーのマップが公開され、ソリューション数が8000と前年比で約1000増えた。オンラインで大量データがやりとりされるようになり、会話型マーケティングやデータマネジメント関連が急増している。
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第84回2020.05.14熱狂的な「信者」を生み出すカルト・ブランディングに迫るカルト的な人気を誇り、熱狂的な「信者」を抱える「カルト・ブランド」という考え方がある。カルト・ブランドの顧客はブランドに対し強い愛着や忠誠心を抱いており、簡単には離れない。日本ではあまりなじみのない概念だが、新型コロナウイルスで新たなフェーズに入るマーケティングのヒントが多くある。
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第83回2020.05.01フェイスブック、グーグルがZoom対抗、ビデオ会議無料版で火花米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのビデオ会議サービス「Zoom」の対抗サービスが続々と登場している。米フェイスブックは米国時間の2020年4月24日、メッセージアプリ「Messenger」などの動画機能を強化すると発表した。複数の仮想的な会議室を作ることが可能で、相手がIDやアプリを持っていなくても利用できるようにする。米グーグルは企業向けのサービスを個人でも利用できるようにする。