米セールスフォースは2023年3月7日、同社の顧客情報管理(CRM)ツールにAI(人工知能)チャットボット「ChatGPT(チャットGPT)」を組み込むと発表した。営業担当者が顧客に送るメール、製品の問い合わせへの返答などの文面を自動生成できる。マーケティングをはじめ生成AIの業務活用が本格化するきっかけとなりそうだ。

「Einstein GPT(アインシュタインGPT)」は、CRMのデータを参照し、業務に必要な文面を自動生成するAI。米マイクロソフトが出資している米オープンAIのChatGPTを組み込んでいる。23年3月7日に米サンフランシスコで開催した技術イベント「TrailblazerDX(トレイルブレイザーDX)2023」に合わせて発表した。同日から試験版の受け付けを開始している。
ネット上の情報とCRMの情報を組み合わせ、顧客情報の概略やメールに送る文章などを瞬時に自動で文章化できる。例えば、これまで取引のなかった新規顧客にメールを送る場合。チャットAIに「この会社の概要と関連ニュースを教えて」などと呼びかけると、AIは説明文や、担当者のコンタクトリストを表示する。「メールを書く」ボタンを押すと、先ほど生成した説明文や最新ニュースに関連する営業メールの文面を示す。「米国市場への進出、おめでとうございます。欧州市場と同様、米国市場でどんな協業ができるかお話ししませんか……」といった具合だ。文体を変更したいときは、「もっとフランクに」などと指定もできる。
カスタマーサービスの応用例では、製品に関する問い合わせがあったとき、クラウド内にある商品情報を参照し、回答用の文章を自動的に生成する様子を見せた。こうした問い合わせ履歴から派生するナレッジ(知識を集めたデータベース)への記録も容易にできる。
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