ディープラーニングや機械学習によって、約10年前に第3次AI(人工知能)ブームが勢いを増した。今やスマートフォンのカメラ、翻訳、販売のデータ分析など、日常の生活や仕事にAIは欠かせないものとなった。ここ最近、AIは大幅な進化を遂げ、さらなる革新を生み出そうとしている。中核にあるのは「創造するAI」だ。
テキストを入力するだけで、そのイメージを即座に出力できるAIが話題になっている。2022年4月にAI研究団体の米オープンAIが「DALL-E 2(ダリ・ツー)」、8月には英スタートアップのスタビリティーAIが「Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)」を公開するなど新サービスが次々と登場した。写真からイラストまで、さまざまなスタイルの映像が生成できて、そのクオリティーも高いとあって、このAIを使った新しいビジネスの発展が期待されている。
▼関連記事 日本語テキストで生成、AI描画サービス 法人向けに1枚0.5円相当今や画像だけでなく、動画の生成も可能になっている。「クマのぬいぐるみが海の中を泳ぐ。水の中から出てビーチを歩き、ズームアウト。ビーチでたき火をする」。米グーグルは、そんな文章を入力するだけで、その通りの動画を生み出せるAI「Phenaki(フェナキ)」を開発した。
実際の映像を見ると、輪郭は鮮明ではないし、シーンの切り替わりも違和感がある。それでも、水中でクマの手や顔から湧き上がる空気の泡、海の底に反射する太陽光、水面に映るクマの鏡像など、やけにリアルで、印象に残る部分がある。まるで寝ているときに見た夢を形にしたかのようだ。
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