米グーグルは米国時間2022年10月11~13日、クラウドサービスに関する技術説明会「Google Cloud Next ’22」を開催した。データセンターを支えるソフトウエアやハードウエアと技術の説明が大半だったが、ビジネスツール群「Google Workspace(グーグルワークスペース)」など一般のビジネスパーソンに関連する紹介もあった。
基調講演に登場したスンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)は、同社のクラウドサービスの中でもAI(人工知能)に関連したものの重要度が増していると強調した。同社の調査によると、「パンデミックの中で半数以上の企業がAI導入計画を加速させており、86%はAIが主流の技術になりつつあると回答した」(ピチャイCEO)と説明する。
AI技術の例として見せたのは「Vertex AI Vision(ベルテックスAIビジョン)」。AIによる画像解析の分析ツールを効率的につくるサービスとなる。イベント内では、街中で道路の交通状況を撮影する公共カメラの映像を分析して道路の混雑状況を予測する例を見せた。マーケティング関連に応用するなら、交通量から時間や日付で店舗の来店客数を予測し、必要に応じて店員の数を増やすといった使い方ができそうだ。このほか社内に存在する文書をさまざまな言語に翻訳する「Translation Hub(トランスレーションハブ)」などのAIツールを紹介した。
グーグルのクラウド関連サービスの中で最も利用者数が多いものといえばGmail、カレンダー、文書作成のGoogle Docsや表計算のSheetsなどをまとめた「Google Workspace」となる。世界のユーザー数を集計すると30億人にも達する。最近では、リアルの職場で働く人とテレワークで働く人をつなぐハイブリッドワークの環境が求められている。イベント内では、このハイブリッド化を効率的にするためのWorkspaceの新機能を見せた。
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