米セールスフォース・ドットコムは2022年9月20~22日、顧客向けイベントを開き、CRM(顧客情報管理)上でさまざまなデータをリアルタイム(即時)処理できる新機能「Genie(ジーニー)」を発表した。Genieと各種の業務支援ツールとの連係を強化することで、企業ユーザーの一括導入につなげていく。

ブレット・テイラー共同CEO(最高経営責任者、左)とマーク・ベニオフ共同CEO(右)
ブレット・テイラー共同CEO(最高経営責任者、左)とマーク・ベニオフ共同CEO(右)
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 歩行者天国にした会場付近の道路に人工芝を敷き詰め、石像風のマスコットキャラクター横には背丈の3倍はありそうな高さから滝が流れる。そんな風景を見ながら、多くの人々が「Dreamforce 2022」の基調講演会場に押し寄せた。本社がある米サンフランシスコで3年振りのリアル開催となる。

 「世界初のリアルタイムCRMだ」と、ステージ上のブレット・テイラー共同CEO(最高経営責任者)が発表したのは、同社の各種ツールと連係する新技術「Genie」だった。

 端的に言えば、Genieは膨大な量のデータに対応できるようにしたセールスフォース内部のデータ管理システム。これまではリレーショナルデータベースと呼ばれる長い歴史を持つ技術を主に利用してきた。Genieではハイパースケールという大規模分散システムの上に「レイクハウス」という新しいソフトウエア技術を使うことで構築している。

米サンフランシスコの展示会場で「Dreamforce 2022」を開催した
米サンフランシスコの展示会場で「Dreamforce 2022」を開催。多くのユーザーが集まった
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 サービスやマーケティング上で、一人一人の好みや行動に合わせて適切な接点をつくるパーソナライズ化に取り組む企業は増えている。「便利だ」「役に立った」と感じてもらうには、さまざまなデータからのシグナルを察知し、即座に対応する必要がある。ミリ秒単位でデータを取得するGenieによって「適切にパーソナライズされた体験を構築できる」(テイラー共同CEO)ようにした。

データ連係のリアルタイム処理化を実現する新機能「Genie(ジーニー)」を発表した
データ連係のリアルタイム処理化を実現する新機能「Genie」を発表した
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 従来のシステムでもある程度の即時処理はできていたが、Genieによってより膨大な量のデータに対応できるようになった。汎用のオープンな技術で構築しているため、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)など外部のクラウドストレージやAI(人工知能)サービスとの連係もしやすい。ウェブページ上のテキストや音声や画像、IoT機器のセンサー情報といった幅広いデータを解析し、マーケティングなどに活用できる。