米グーグルが米食品スーパー2位のアルバートソンズと提携し、デジタルによる買い物や購入体験の高度化に乗り出す。ネット検索や地図、画像認識AI(人工知能)などグーグルの主要なテクノロジーを幅広く活用する。新型コロナウイルスの感染拡大以降、米アマゾン・ドット・コムはテクノロジーを活用した食品スーパーの展開を加速しており、アマゾンの敵同士が手を組む。
グーグルとアルバートソンズが2021年3月30日、共同で提携内容について公表した。アマゾンは高級スーパーの米ホールフーズ・マーケットを傘下に持つほか、米ロサンゼルスなどで、テクノロジーを活用した大型スーパーの展開を加速している。アマゾンのライバルであるグーグルとアルバートソンズ、両社の思惑が一致したと言える。グーグルは本体のほか、クラウド部門も連携する。
今回の取り組みは検索や地図、AIなどグーグルのテクノロジーをほぼ全部入りで広範に採用するものだ。なかでも最も力点を置いているのが、スマートフォンやPCで注文し、店舗で商品を受け取るピックアップと自宅まで配達してもらうデリバリーだ。
グーグルが示したデモでは、アルバートソンズ傘下の食品スーパー「セーフウェイ」の店舗をグーグルで検索。店舗情報の「注文 ピックアップ&デリバリー」の項目から、セーフウェイもしくはデリバリー事業者のインスタカートを選んで、ピックアップやデリバリーを指定できるようになっていた。今後本格的に実装していく見通しだ。
多くのユーザーがグーグル検索を利用する中、注文までの導線を究極的に短縮する取り組みと言える。グーグルにとっては、昨年後半から強化している決済サービスの「Google Pay」を決済手段として普及させたい意図もあるだろう。
AIやARもフル活用
両者は提携に先駆けて3月中旬に、顧客とAIチャットボットが対話する、ビジネスメッセージのサービスを始めたことも同時に明らかにした。
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー