フィルム型の使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)のような体験を提供する謎のスマートフォンアプリ「Dispo(ディスポ)」。なぜ次の日の朝にならないと撮った画像を見ることができないのか。初の本格海外進出として日本を選んだ理由は何か。米ディスポの共同創業者でありCEO(最高経営責任者)のダニエル・リス氏が単独インタビューに応じた。
いつ、どのようにしてDispoのアイデアを思いついたのですか?
ディスポはCFO(チーフ・ファン・オフィサー)のデビッド(デビッド・ドブリック氏)と一緒に起業し、2019年のクリスマスに最初のバージョンをリリースしました。
きっかけはデビッドの体験です。彼は1000万以上の多くのフォロワーを持つYouTuberで有名人です(注:YouTubeで1890万人、Instagramで1430万人)。米ロサンゼルスでモデルや女優と一緒にパーティーに参加していたのですが、誰も楽しんでいないことに気づいたのです。みんなスマホで写真を撮影し、照明の具合や編集に夢中になっていたのです。
そしてその仲間の1人がアシスタントにカメラで写真を撮ってもらい、現像後に写真を持ち歩くようになったのです。そうすると昨晩撮った写真には、みんなが親密かつ自由に写っていたのです。あまりポーズも取っていません。
ここでデビッドが考えたんです。この感覚をスマホの写真を通してなんとか伝えることができないのかと。そして生み出したのがDispoです。写真は翌朝の9時にしか見ることができません。その場で写真を編集したり消したりすることができないので、スマホの操作から解放されます。
クリスマスの朝のような魔法の時間
写真を見られるのが、なぜ朝9時なのですか?
このアプリを発表したのがクリスマスの朝でした。この朝は子供たちがプレゼントを発見する魔法のような時間帯なのです。Dispoを使うことで、毎朝9時にプレゼントを受け取るような体験をしてもらいたいと思っています。
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