米ウォルマートが自社経済圏の拡大に向け、フィンテック企業を設立する。若者向け金融サービスに詳しい投資会社と組んで、スタートアップなどと連携してノウハウを取り込んでいく考えだ。顧客だけでなく従業員にも利用してもらう、新たな経済圏となる。

ウォルマート店舗の会計コーナー(出所/Shutterstock.com)
ウォルマート店舗の会計コーナー(出所/Shutterstock.com)

 ウォルマートは2021年1月11日、フィンテック分野のスタートアップ企業を創設すると発表した。フィンテック分野の投資会社米リビットキャピタルとのパートナーシップで取り組む。新会社の株式の過半数をウォルマート側が持ち、新たな金融サービスを開発していく。

 ウォルマートが自社の顧客に金融サービスを提供する効果は大きい。ウォルマートは年間3000億円以上のクレジットカード手数料を支払っているとされる。自社ブランドの「Walmart Card」を提供しているが、米銀行のキャピタル・ワン・ファイナンシャルとの提携カードであり、手数料の支払いは生じる。

 顧客との日々のタッチポイントを持つため、新たな金融サービスの利用を進めやすい面もある。ウォルマートの顧客層は幅広いので、銀行のアカウントを持たない低所得層の顧客もいる。こうした顧客に銀行と同等の口座サービスを提供することも可能になるだろう。

 顧客だけでなく従業員に対して、低コストで便利な金融サービスを提供する狙いもある。と言うのも全世界で約220万人、米国内でも約150万人の従業員を抱えているからだ。給料の振り込みで銀行側に手数料を支払う必要があり、それらの従業員がウォルマートで買い物をする際にもクレジットカード会社に手数料を支払っている。また、有利なローンサービスを提供できれば、従業員の満足度向上にもつながるだろう。

Robinhoodの株式取引画面(出所/RobinhoodのiPhoneアプリ)
Robinhoodの株式取引画面(出所/RobinhoodのiPhoneアプリ)