AI(人工知能)分野の有力な国際学会である「NeurIPS」が2020年12月6日から12日までオンラインで開催された。評価の高い論文が選ばれる口頭発表に日本勢が17件採択され、ネット広告大手のサイバーエージェントもその1チームとなった。2016年に立ち上げたAI専門部署「AI Lab」の成果が出た格好だ。
NeurIPSはAIの主要な手法である機械学習や深層学習(ディープラーニング)の世界トップの学会である。そこでの論文の評価や存在感が、企業や研究機関のAI開発力を示している。今回、日本勢は17件が口頭発表に選ばれた。2020年は9467通の論文が応募され、口頭発表に選ばれたのはその4%だけという狭き門だ。
今回のNeurIPSでは日本企業の論文採用が一気に増えた。
口頭発表ではNECが3件とNTTが1件と健闘した。ポスター発表についても、楽天やソフトバンク、三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社でフィンテック事業に取り組むJapan Digital Design、日立製作所やソニーといった19年にはなかった企業の名が見られ、裾野が広がりつつある。常連ともいえる、トヨタ自動車やAIスタートアップのPreferred Networksもポスター発表で採択されている。
テストマーケのモデルを他市場に適用する
サイバーエージェントは今回、テストマーケティングなどで活用する市場予測モデルを精度高く横展開するための手法を提案した。例えば、エリアを絞ってテストマーケティングを行った結果から得た販売予測のモデルを、他のエリアに適用することを可能にするというものだ。
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