米アップルは2020年9月15日(現地時間)、新製品発表会を開催し、新しい腕時計型端末を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大に合わせた機能や、サブスクリプション契約を推進するサービスを多数投入した。

「Apple Watch Series 6」と廉価版の「Apple Watch SE」を発表。Series 3の販売を続けるので、Apple Watchは3種類のラインアップとなる(出所/発表会の動画をキャプチャーしたもの)
「Apple Watch Series 6」と廉価版の「Apple Watch SE」を発表。Series 3の販売を続けるので、Apple Watchは3種類のラインアップとなる(出所/発表会の動画をキャプチャーしたもの)

 米アップルが投入したのは新しい腕時計型端末「Apple Watch Series 6」である。2020年9月18日に発売する。今回の発表では、Apple Watchをこれまで以上に活用するためのサブスクリプションサービスも明らかにしている。

 Series 6は新たに血中酸素飽和度を推定する機能を備えるなど、新型コロナウイルスの感染が収束しない現在の状況に適合した機能を複数搭載した。定額制のフィットネスサービスなど、Apple Watchの拡販を目指した施策を明らかにしており、ウエアラブル機器で大きなシェアを持つApple Watchの事業がさらに拡大しそうだ。

 Series 6の目玉は、新型コロナウイルスに感染した際、肺炎の重症度を知る目安になる血中酸素飽和度を推定する機能を搭載した点だ。血中酸素飽和度は、感染を自覚しづらい軽度の症状を知る上で便利とされる。従来は指に挟むタイプの「パルスオキシメーター」が血中酸素飽和度を測定する機器の主流だった。ウエアラブル型の機器で血中酸素飽和度を推定するニーズが高まっている。Apple Watchもこの流れにのっとったものといえる。

 血中酸素飽和度を計測するに当たり、Series 6では本体裏ぶた側にあるセンサーを新しくした。4つの発光素子(LED)クラスターと4つの受光素子(フォトダイオード:PD)で構成する。まず緑色と赤色のLEDと、赤外線LEDが手首の血管部分に光を照射。その反射光をPDで受光し、その結果から血中酸素飽和度を推定する。血中酸素飽和度を推定する機能は、医療向けでなく健康管理やフィットネス向けとしている。

Series 6の裏ぶた側のセンサー(出所/アップル)
Series 6の裏ぶた側のセンサー(出所/アップル)
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