新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くの企業が米国での大型イベントを中止している。そうしたなか従来1万人のリアルイベントをオンラインで5万人規模に転換したのが、米半導体大手のエヌビディアである。どのプラットフォームを利用し、課題は何だったのか。今回のオンラインへの転換を指揮した総責任者に聞いた。

自宅からオンラインで説明する米エヌビディアの創業者であるジェンスン・フアンCEO(2020年5月、YouTubeに同社が配信した動画より)
自宅からオンラインで説明する米エヌビディアの創業者であるジェンスン・フアンCEO(2020年5月、YouTubeに同社が配信した動画より)

 「デジタルに転換したことで世界中のさまざまな人たちに開かれたイベントにできた。いつでもどこからでも特に興味のあるセッションだけでも見ることができる。新型コロナウイルスの影響がなくなっても、デジタルカンファレンスは続けていく」

 エヌビディアのコーポレートマーケティング&デベロッパープログラムのグレッグ・エスタスVPは、旗艦イベントである「GPU Technology Conference(GTC)」の完全オンライン化をこう振り返る。

2019年3月に開催した「GPU Technology Conference(GTC)」の様子
2019年3月に開催した「GPU Technology Conference(GTC)」の様子

 GTCは米カリフォルニア州サンノゼ市にあるコンベンションセンターで毎年3月末に開催されている恒例のイベントだ。今回、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて、1年以上準備してきたイベントの完全オンラインへの転換を決定した。その名も「GTC Digital」だ。「その時点で開催までに残された時間はたったの3週間だったが、不可能ではなかった」(エスタスVP)。

 GTCはもともと5日間で集中して実施していたが、GTC Digitalは4週間にわたって提供した。集中することによるオペレーションの難易度を下げるのに加えて「受講者に興味のあるコンテンツをできる限り見てもらおう」(エスタスVP)という考えだ。

 GTCは約1万人の参加者、そして1300人の講演者を見込んでいた。さらに大きなハードルとなったのが、トレーニング講座の開催だ。通常の講演だけでなく、エヌビディアのテクノロジーを習得するためのインタラクティブな講座を開催する必要があった。