サンフランシスコやニューヨークなど米国の都市では、新型コロナウイルスを封じ込めるため、在宅命令が強化されている。食料品など生活必需品の買い物は可能だが、事実上のロックダウン(都市封鎖)の状態だ。顧客が来るのが前提の外食産業や、関連する業界は大きな影響を受けている。
「お客さんがお店に来なくなった。突然、世界が変わってしまったような状態。変わった後の世界に素早くアジャストして生き残っていきたい」
シリコンバレーの中心地パロアルト市から北に車で15分。レッドウッド市にある日本食レストラン「Kemuri Japanese Baru」の森山岳男オーナー兼シェフはこう語る。
レッドウッド市には、クラウドストレージサービス大手の米ボックスがオフィスを構える。最近は新興のスタートアップも多くなっている。その同市でも、サンフランシスコ市ほどではないが路上生活者の数が増えている。そして、身なりのいい路上生活者も見かけるようになった。そう失職して間もないのだ。
デリバリーで新たな顧客層も開拓
2015年にオープンした同店も、当然ながら新型コロナの直撃を受けた。地元自治体によって不要不急の外出が禁じられた3月17日以降、店内での飲食は禁止となり、テーブルや椅子を片付けた。そして売り上げの見通しが立たなくなった。
新型コロナウイルスの影響が和らいで営業が可能になるまで待つことも考えたが、その時に同じ世界が戻ってくるとも限らない。そこで、森山オーナーが考えたのが、テークアウトやデリバリーへの転換で攻めることだ。
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