米ウォルマートはテキストや音声で商品を注文できる新サービス「ジェットブラック(JetBlack)」を2月21日で終了する。米ニューヨークに限定し富裕層向けに展開していた。不採算事業見直しの一環で関連する従業員も解雇するという。試験的な提供とは言え、ネット戦略を統括するマーク・ローリー氏肝いりの次世代サービスであり、大きな戦略転換となりそうだ。

ジェットブラックのページに掲載されたメッセージ
ジェットブラックのページに掲載されたメッセージ

 「ニューヨークでのほぼ2年間が経過し、ジェットブラックの運営を終える。我々のテクノロジーはウォルマートに会話型の購買の能力を与え、顧客の新たな買い物体験を構築した」

 ジェットブラックのチームはサービスページにこのようなメッセージを掲載し、運営を2020年2月21日で終了することを2月14日までに公表した。サービスについてのページなどは参照できなくなっている。

一部従業員のみ本体の顧客部門に

 米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)など米メディアによると、約350人の関連する従業員の一部はウォルマートの顧客部門などで雇用するが、大半の293人は解雇されるという。

 ジェットブラックはニューヨークエリアの富裕層の顧客を対象に、招待制で提供してきた。スマートフォンのアプリで、テキストや音声で簡単な注文メッセージを送ると、コンシェルジュのように対応してくれるサービスだ。生鮮食料品や薬など対象外の商品もあるが、短時間に注文を出せるのが特徴だ。

ジェットブラックのサービスイメージ
ジェットブラックのサービスイメージ

 「米アマゾン・ドット・コムの音声AIのAlexaに話しかけて注文をしている暇もないような忙しい人がターゲットだ」として、AIと人間の担当者を組み合わせた、ネットでの買い物コンシェルジュを目指したものだ。

 例えば、「いつもの歯磨き粉」「いつものおむつ」と指定するとAI(人工知能)が注文履歴を参照して商品を特定。担当者が買い物を代行して届けてくれる。一方で「息子の誕生日プレゼントは何がいいかな」という相談にものってくれる。全米の担当者が適切な製品を探してくれるといったコンシェルジュサービスも提供していた。