米国で2019年の小売店の閉鎖数見通しが過去最高となった。女性向けカジュアル服のフォーエバー21は破産法の適用を申請するなど、全米で9000店舗以上が閉められる予定だ。不動産業など他業界への波及も懸念され始めている。
米調査会社コアサイト・リサーチの調査によると、2019年にこれまでで9300店舗の閉鎖がアナウンスされた。これは2018年の5844店舗を5割以上上回り、過去最高の2017年を超えて最大になるという。
なかでも規模が大きかったのは、靴のディスカウントストアの米ペイレス・シューソースで、北米を中心に2000店舗以上を閉鎖した。
日本の業界関係者にとっては、国内にも店舗を展開する女性カジュアル服を製造・販売する米フォーエバー21破綻の衝撃が大きかっただろう。2019年9月に米連邦破産法11条(チャプター11)の適用を申請。経営再建のため、約200店舗の閉鎖に向けてセールを行った。
米国では2019年2月にシャーロット・ルッセという老舗の大手女性カジュアル服の製造・販売会社が破綻した。ショッピングモールを中心に出店しており、そこに攻め込んできたフォーエバー21やスウェーデンのファストファッション大手、H&Mなどの影響が顕著だった。しかしそのフォーエバー21も倒れた。米国のカジュアルファッションの生存競争の厳しさを物語る。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー