米シアトルのスタートアップ、フォトニックセントリーはレーザー光で害虫だけを選別して撃ち落とすテクノロジーを開発している。農場に配置することでフェンスのような役割を果たす。農薬の利用を抑制できるほか、新たな害虫への対応も容易だ。

フォトニックセントリーの開発するテクノロジーは、レーザー光を利用して害虫が入ってこないようにエリアを設定することができる。広い農場などに設置して仮想的なフェンスのように利用できる。農薬を利用しないか、使用量を削減できるので、周辺環境の保護にも役立つ。作物の価値を上げることもできる。
エリアに入ってきた害虫をレーザーで撃ち落とすことで実現しており、殺虫剤を使わないので、環境や人体への影響を抑えることが可能だ。ただし1つの課題があった。ミツバチなど害虫でない虫をレーザーで駆除してしまっては生態系に影響を与えてしまうことだ。
フォトニックセントリーの技術は、レーザー光を利用して飛んでいる物体を認識したうえで、レーザーの出力を急激に上げることで蚊などの害虫を撃ち落とす仕組みだ。エリアに入ってきた虫の形状や羽のはばたく周波数などを検知して選別。そのうえで蚊など害虫のみを撃ち落とす。特徴をインプットするだけで新たな害虫の駆除にも対応できる。農薬のように新たな成分とその効果を確認するといった手間はない。
1台のレーザー機器で幅30メートル、高さ1.5メートルの範囲にバーチャルなフェンスを設定できる。広さに応じて機器を導入することで、農場など広大な敷地もカバーできるようになる。太陽光発電のバッテリーで駆動するので、農場のような場所にも設置が可能だ。
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