米ネットフリックスが日本市場での攻勢を強めている。有料メンバー(会員)数は2019年7月時点で約1億5100万人、190カ国に展開するが、アマゾンやアップル、ディズニー、フールーなど、米国の強力なライバル企業がひしめいている。鈍化する会員数の伸びを解消する切り札に日本企業との連携に乗り出した。

 ライバルとの競争を勝ち抜き、有料会員数を増やす切り札として、米ネットフリックスが日本企業との提携関係を強めている。

 2019年9月6日に東京で報道機関向けに開催したイベント「NETFLIX HOUSE:TOKYO 2019」は、その証左と言える。同イベントでは、日本企業との取り組みを中心に、同社の動画配信サービスの特徴などについて説明した。

日本のドラマやアニメに着目

 動画配信サービスの競争軸は、オリジナルコンテンツの確保にある。ネットフリックスは以前からオリジナル作品の拡充に取り組んできてり、数年前から日本のコンテンツに着目してきた。

 例えば、日本発のオリジナル作品として、2016年に「深夜食堂: Tokyo Stories」、17年に「あいのり: Asian Journey」、19年に「TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020」を配信。いずれも、人気のテレビ番組シリーズの作品である。最近では、19年8月から配信を始めた「全裸監督」が話題となっている。9月のイベントでも、全裸監督を推していた。日本発ではないが、「こんまり」の愛称で知られる、片づけコンサルタントの近藤麻理恵氏の「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」も人気を博している。

 日本のアニメーション作品の展開も積極的だ。例えば18年には「Devilman Crybaby」や「B: The Beginning」の配信を始めた。いずれも、ネットフリックスが独占配信するオリジナル作品である。9月のイベントでは、「世界初」(ネットフリックス)とする、4K HDR(High Dynamic Range)映像の手描きアニメ作品「Sol Levante」を発表した。日本の著名なアニメ制作会社プロダクション・アイジー(Production I.G.)との共同プロジェクトで制作したもので、19年内に配信する。

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