アプリでトイレの場所を探して利用予約できるスタートアップがサービスを本格化している。月約20ドルのサブスクリプションもしくは1回約1ドルの料金で利用できる。TOTOは同社への投資を公表し、公共トイレの将来像を探り始めた。

 Good2Goはスマートフォンでトイレの利用を予約できるサービスを提供するスタートアップだ。2014年に現CEOのフラン・へーラー氏が米サンフランシスコ市で創業し、2017年にサービスを開始。現在約10人の従業員がいる。

 米国ではセキュリティーの問題などで、日本のように街中の公共トイレが整備されていない。サンフランシスコのような大都市でもそうだ。トイレのためカフェに入ってコーヒーを注文することもある。

ウーバー運転手や観光客に的

Good2Goのトイレ予約スマホアプリの画面。現在は米サンフランシスコ市内で提供している
Good2Goのトイレ予約スマホアプリの画面。現在は米サンフランシスコ市内で提供している

 こうした状況にへーラーCEOが目をつけた。「地元に不慣れな観光客はもちろんだが、ウーバーやリフトなどライドシェアのドライバーなどにも利用してほしい」(へーラーCEO)と言う。自身も街中にトイレがないことで不自由した経験がある。

 清潔なトイレを簡単に利用してもらうための仕組みも必要だった。「単にトイレを使える場所のマップを作っただけでは、清潔でなかったり、セキュリティー上問題があったりするトイレもリストに入ってくる可能性がある」(へーラーCEO)

 そこで考え抜いたのが、利用者に加えてカフェやスーパーなど施設側のメリットだ。

 まずは状況に応じてトイレを改装する。そのうえでトイレにIoTセンサーを導入するので、1日の利用状況がデータで把握できるようになる。アプリでは利用後にトイレが清潔であったかどうかをフィードバックする。「そうした情報を施設と共有すれば、他の顧客も含めた満足度向上につながる」(へーラーCEO)。こうしてカフェなどが場所を提供してくれるようになった。費用負担についてはケース・バイ・ケースだという。

予約したトイレに近づくとドアが開く

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