米ウーバーテクノロジーズは「エアタクシー」や「空のライドシェア」に関するカンファレンス「Uber Elevate Summit 2019」を2019年6月11日と12日、米ワシントンで開催した。ヘリコプターを利用した移動サービス「Uber Copter」の詳細や、米国外では初の空のライドシェア提供地を明らかにした。

第3の実証試験都市はメルボルンに
第3の実証試験都市はメルボルンに

 ウーバーは電動の垂直離着陸機(eVTOL機)を利用した空のライドシェア「Uber Air」を2023年に開始することを目指している。今回、Uber Airの実証試験を実施する都市をオーストラリア・メルボルンだと明らかにした。

 メルボルンはダラスとロサンゼルスの2都市に続く、第3のかつ米国外初のUber Airの実証試験を実施する都市となる。ほかの2都市と同じく、2020年に実証試験を開始する予定。2023年には本サービスの開始を目指しているという。

東京も有望視されていたが

 これまでウーバーは、オーストラリアのほか、ブラジルやフランス、インド、日本の5カ国を候補に挙げていた。中でもウーバーが期待を寄せていたのが、東京だとされる。

日本の東京も候補地の1つとなっている
日本の東京も候補地の1つとなっている

 実際、Uber Airに関するイベントを米国外で初めて開催したのは東京だった。2018年8月に開催した「Uber Elevate | Asia Pacific Expo」である。同イベントには東京都知事の小池百合子氏が登壇した。それでも東京は選ばれなかった。「墜落などのリスクを勘案すると、東京としてYesと言えなかったようだ」(Uber Airの事情に詳しい複数の人物)。

ヘリのサービスを今年7月開始

 さらにウーバーは既存のヘリコプターを利用した「Uber Copter」を2019年7月からニューヨークで開始することも明らかにした。ダウンタウンの離着陸場からジョン・F・ケネディ(JFK)国際空港までの移動にヘリコプターを利用する。離着陸場まではUberXなどで移動し、その後ヘリコプターでJFK国際空港のヘリの離着陸場まで移動した後、同場からJFK国際空港のターミナルまで自動車で移動する。

Uber Copterの利用イメージ
Uber Copterの利用イメージ

 出発地からJFK国際空港までの「ドア・ツー・ドア」で、約30分で移動できるという。UberXで移動した場合、およそ110分、鉄道と徒歩で82分かかっていたとする。値段は需給状況によるが、およそ200~225米ドルと説明した。米BLADE Urban Air Mobility による、JFK国際空港とダウンタウンまでのヘリ移動サービスとほぼ同水準の金額である。

 ウーバーのマーク・ムーア エレベート ビークルシステムズ エンジニアリングディレクターは2023年の本サービス以降のロードマップを示した。2026年にはサービス網の拡大と最適化を行う。そして2028年には第2世代のeVTOL機のコンセプトを投入する。自動運転や大量生産、バッテリーの改善などに取り組むという。

 今回のイベント全体を通して、Uber Airを実現するための重要な要素として4つが挙げられた。

 第1に他の交通機関と連携して移動時間を短縮する移動手段のマルチモーダル化である。UberXのような自動車のライドシェアのほか、バスや鉄道といった陸の公共交通機関などの移動手段を利用して、Uber Airの離着陸場まで移動。そこからeVTOL機で目的地そばの離着陸場まで飛び、その後、陸の移動サービスで目的地まで向かう。

 第2に、Uber Airを含めたマルチモーダルな移動を可能にするクラウドサービスである。ウーバーは「Elevate Cloud Services」と呼ぶ。第3にサービスに用いる機体、第4に離着陸場である。

 この4つの要素のうち、マルチモーダルな移動とクラウドサービスの試金石として開始するのが既存のヘリコプターを利用した移動サービスのUber Copterである。既存のヘリコプターやヘリポートとElevate Cloud Servicesを組み合わせて利用する。

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