米グーグルは2019年5月14日、旅行サービス「Google Travel」を始めた。航空券、宿泊などのサービスを統合した。Gmailの内容を基に旅程を一覧化したり、検索履歴などから旅行先を予測したりして、プランの作成や管理を支援する。米エクスペディアなどの予約サイト大手にとっては脅威となりそうだ。
「我々の最大の競合はグーグルだ。インターネット上で多くの人が集まる場所を持っている」
米予約サイト大手のエクスペディア・グループのマーク・オカストロムCEO(最高経営責任者)が言うように、グーグルが旅行業界で存在感を増している。
まずはグーグルで検索して、旅行の行き先や料金のあたりをつけるという行動が一般化しているからだ。それに対して、航空券、宿泊などの予約サービスを別個に提供してきたが、今回のGoogle Travelはそれらを統合した。
例えば、トップ画面で行き先として「Tokyo」を入れると、東京でのアクティビティ、航空券、宿泊、パッケージが一覧で表示される。
目玉と言えるのが、旅行の予約や検索などを管理する「Trips」だ。
グーグルのアカウントと連携し、Gmailに送られた宿泊やフライトなどさまざまな予約メールの内容を解釈。Tripsの画面上に一覧としてまとめてくれる。Googleカレンダーに差し込まれていた旅行予定を統合的に管理できるようにしたものと言える。各航空会社、エクスペディアやエアビーアンドビーなどの宿泊予約までカバーしている。出張などの精算の際にも、航空券や宿泊の領収書の情報を探しやすくなる。
Google Travelで検索した航空券や宿泊は、エクスペディアなどの予約サイトや航空会社のサイトなどに移動して決済する。グーグルは手数料を得るビジネスモデルだ。エクスペディアなどの旅行サイトや航空会社にとっては直接予約よりも取り分が少なくなる。
検索履歴から旅行先推測
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