流通業のデジタル活用で全米最大級の展示会「Shoptalk 2019」が米ラスベガスで開催された。小売り、ファッションや日用品メーカー、支援事業者などが集い、参加チケットが完売。AIを実装したeコマースや店舗、配送まで近未来のリテールの具体像が次々と披露された。グーグルとアマゾン・ドット・コムによるリテールへの提案合戦も激化している。
Shoptalk 2019は米ラスベガスで2019年3月3日から6日まで4日間の日程で開催された。スーパーや百貨店などのリテールや、ファッションや日用品などのブランド、テクノロジーやコンサルティングを手掛ける支援事業者などが参加。8400枚のチケットは事前に完売し、ウェイティングを受け付けるほどの盛況ぶりだった。デジタルマーケティングから店舗のデジタル化、テクノロジーを活用した配送、オムニチャネル、デジタル組織の運営など、リテールのデジタル化に関する様々な専門講演や展示が繰り広げられた。
デジタルにAIを活用する照準定まる
今回のShoptalkで参加者の目を引いたのが、次世代の店舗や顧客宅への配送などにデジタルとAI(人工知能)をいかに活用するのかの具体像である。AIを業界や各社のデジタル戦略にどのように適用していくのか。提供側も利用側も活用のユースケースがしっかりと見えてきた印象だ。
例えば、米アラートイノベーションのジョン・ラート創業者CEO(最高経営責任者)は1階が自動化店舗、2階が倉庫になっている店舗について説明した。店舗向け在庫を置く倉庫にある商品を、AIロボットが収集。顧客によるピックアップや宅配に活用するというものだ。
一方で、米ヌーロのデイブ・ファーグソン共同創業者は2018年に開始した、小型の無人自動運転車による配送サービスを披露した。ファーグソン氏によると世界初の試みだという。
AIによるパーソナライゼーションに注目
AIのユースケースは具体例が多く提示され始めた。AI専門セッションとして、「マーケティング」「パーソナライゼーション」「イメージ&顔認識」の3つが設けられ、特にパーソナライゼーションのセッションは立ち見も出ていた。パーソナライゼーションでは、米Qubitが顧客の情報からサイズを予測して提示するソリューションを、米フォーメーションが顧客のプロファイルを分析して異なるeコマースの画面を出すといったソリューションを示した。
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