2019年に入って米国で専門店の破綻が続いている。2月3日、女性向けカジュアル服の米シャーロット・ルッセ・ホールディングスが、1月には幼児服大手の米ジンボリーがそれぞれ連邦破産法11条を申請した。ジンボリーは2度目となる。ショッピングセンターへの過度の依存が共通点だ。
米シャーロット・ルッセ・ホールディングスは2019年2月3日、米連邦破産法11条(チャプター11、日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。
シャーロットは若年層の女性向けカジュアルファッションを販売している専門店だ。1975年創業の老舗の同社は、値ごろ感のあるカジュアルファッションやアクセサリーで時代を先取りして成長してきた。ただネット販売が普及して以降、流行の移り変わりの速さに品ぞろえで追随できなかった。Forever21やH&Mなどファストファッションの競合にも攻め込まれた。
筆者がシリコンバレー北部のショッピングセンターに入居するシャーロットの店舗に行ってみたところ、チャプター11を受けたセールなどは実施していなかった。平日の昼前ということもあって、センターの客足も悪く、店舗内はほとんど客がいなかった。洋服の品ぞろえは、Forever21やH&Mなどと比べると、トレンドの先端というよりも地味な印象を受けた。
シャーロットは米カリフォルニア州サンディエゴに本社を構え、全米のショッピングセンターを中心に約500店舗を展開している。チャプター11の申請で資産を保全。老朽化して競争力のなくなった94店舗を閉鎖して、残りの店舗で営業を続けていく予定だ。
ジンボリーは2度目のチャプター11
一方、幼児服の専門店を展開するジンボリーは2019年1月に2度目のチャプター11を申請した。
ジンボリーはショッピングセンターを中心に約900店舗を展開しているが、米メディアでは全店を閉鎖する可能性があると報じられている。17年には1回目のチャプター11で約380店舗を閉じている。
昨年は玩具大手の米トイザラスも破綻するなど、米専門店は厳しい環境に置かれている。
全米の小売業の市場拡大が続く中、各社ともネットとリアルの両方から攻め上げられている。米アマゾン・ドット・コムなどのネットで玩具だけでなく衣服まで購入する消費者が増えたうえ、実店舗でも米ウォルマートや米ターゲットなど総合スーパーの大手が品ぞろえの充実や特売で攻勢をかけている。シャーロットの場合は、Forever21やH&Mなどの強敵も現れた。薄利の状況が続くなか売上高の減少に見舞われ、資金繰りが悪化し破産に至った。
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