米国のイノベーションやテクノロジー業界の政策が大きく変わる転機となりそうなのが、2020年の大統領選だ。2019年1月に入って、シリコンバレーを擁するカリフォルニア州、米アマゾン・ドット・コムや米マイクロソフトなどテック企業が集積するワシントン州シアトルの有力者の動きが活発化している。
米スターバックス前会長のハワード・シュルツ氏が、2020年の大統領選に独立候補として出馬を検討している。
1月21日、米CNNがシュルツ氏に近い人物の話として報じた。同日には、カリフォルニア州選出のカマラ・ハリス上院議員が自身のツイッターで立候補を表明し、ドナルド・トランプ大統領との対決姿勢を明確にしている。
シュルツ氏は1982年、ワシントン州シアトルの街のコーヒーチェーンにすぎなかったスターバックスに入社。その後、独立してエスプレッソ店を創業した。資金を得ると87年にはスターバックスを買収し、世界的なコーヒーチェーンへと育て上げた。
民主党の支持者である同氏は30年もの間、スターバックスを率いており、2018年会長職を退いて名誉会長に就いた。退任を機に政治家に転身するとの噂が絶えなかった。同氏に近い人物によると、「米国にどのように貢献していくのかを熟慮している」という。
シュルツ氏は抜群の知名度で経営者としての評価が高い。潤沢な資金もあり、出馬すれば有力候補となる可能性がある。
一方、カリフォルニア州選出のハリス上院議員もトランプ大統領の強敵となりそうだ。ハリス議員はアフリカ系移民の2世であり、トランプ大統領の移民政策に反対している。カリフォルニア州の司法長官を務めた経歴があり、ディベートが得意だという。トランプ大統領との舌戦が予想される。
米国や日本ではトランプ大統領が再選されるとの見方が大勢を占めるが、ここに来て「シアトル」の動向が重要になりつつある。
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